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■ 最終日
「申し訳ないが・・・退職金の支払いは6回にわけさせて欲しい」 そう平身低頭する経理部長を前にしては、ただ頷くしかなかった・・・
長年勤めたことで、この経理部長の人柄も判っている。 その上、会社の経営状況もわかっている現状では、 これ以上の自分の要求を押し通すことなど出来るはずもなかった・・・ ま・・・代表者印の入った文書を書いてもらうことだけはお願いしたけれど。 当初12回の予定がその半分に減ったわけだし・・・ 結局・・・そういう奴なんだろうな・・・自分って。。。
それにしても・・・ やはり「金」のことでゴタゴタなどしたくない。 勿論会社員にとってその評価が「金」に繋がるだけに、 当然の権利の主張であるわけだが、 退職者全員がごねだしてしまっては、それは終末へ加速させるだけだ。 まして、そんな事態になってしまえば、 もらえるはずのものまで無くなってしまう。
おそらくは終末期である会社。 それでもやはり愛着が全くないと言えば嘘になる。 長いこと勤務したことで、 ここが自分の生活の一部であったことは間違いないのだから。 自分のやってきた事の数々・・・ 色々な思い出が駆け巡る。
最終日を終え、それほどナーバスにはならなかったものの、 会社から持ち帰った私物やらを見るに付け、少々懐古的な気持ちになってしまう。 その量はVHSテープが50本入る箱が4箱に紙袋が2つ・・・ 18年間を詰め込んだ量としては多いのか少ないのか判らないが、 それでもその整理には時間がかかりそうだ。 勿論そのまま次の会社に持っていくものもあれば、 屋根裏にでも仕舞い込んでいいようなものもある。 そして、おそらくはもう二度と見ないであろう自分が携わったビデオなども・・・ それでもジャケットを見ながら「もう一度だけ見てみようか?」など・・・ 結構心中は揺れ動いている感じかな(笑)
思い出というものは時間とともに風化していくもの・・・ そして、その長い時の中で全ての思い出が良いものに変化していく。 退社前のごたごたも、暴言を吐く将軍も、 いつかは笑って話せる日が来るであろう。 願わくば・・・その日が早く来るように・・・ そのために自分の気持ちも早めに整理をつけておこう。
2003年04月16日(水)
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