2003年11月12日(水)


バイトから帰宅し、チャリを置くと、そこに猫が待ち伏せていた。
田沼かと思ったら、見たこともないガキ。
「待ってたんだよー!遅かったじゃん!」と声をかけられ、そのまま家へ。

「いやぁ〜助かったYO! あ、今日は泊まるからね、よろしく」。

否応言わせず、そのガキはしばらくお世話になると言いのけた。
ぜってぇ田沼の子だ。間違いねぇ。なにしろ模様がそっくり。
田沼と見紛うのも無理はないほど。
違うのは、そいつがガキだということだけである。
その年齢およそ半年くらいであろうか。
時々僕の耳たぶをちゅぱちゅぱ吸うし、男の子なのに甲高い声で鳴く。
僕が焼き鳥とチューハイを手にすると、彼も欲しがって鳴いた。
うるせぇよこのくそガキ。
と思いつつも、可愛らしいオメメと綺麗なキジトラ模様に笑顔で許してしまう。
彼は、入ってくるなり「お、飯はここだな、むしゃむしゃ…」と食事し始め、
「お、便所はここだな、よっこらしょと」と早速脱糞し、かと思うと眠り始めた。

さて、二号さんといえば、どうにもこの新入りが気に食わない。
高みから眺めてばかりで、尻尾も立てないし唸りもしないが、ムカついていることは確か。
試しに二号さんが降りてみると、やはり嫌いらしく、シャーッと言った。
二号さんは猫嫌いなのである。

その後、僕たちはいつも通りロフトで寝て、ガキは下に居させた。

僕はご主人と違って猫語を少しだけ理解することができる。
子供は比較的理解が楽であるため、そのガキとは多少の会話ができた。
ほとんど僕の質問にガキが答えるばかりであったが、応答は明確であった。
話によると、どうやらガキは迷子になってしまったようだ。
迷子になったのかどうかを問うた時だけ、力いっぱい頷いていたからである。
なんだかんだ居座る素振りを見せていても、やはり母親が恋しいみたいでもあった。
僕が、探してやるからしばらく二号さんの下手に出ていなさい、と言うと、承知してくれた。
でも、こいつの食欲だけは、僕にはどうしても理解できなかった。

そうしてクマたんに報告し、名前をどうしようか相談した。
クマたんは、田沼意知や新井白石や荻生徂徠などの名を挙げてくれた。
それに、こいつの飼い主も探さねばなるまい。
こんだけ家猫なのだから、やっぱり元々家猫なんじゃなかろうか。
そんな思いを抱きつつ、ポスター作成に必要なもの――カラーインクジェットを買った。
帰宅すると、

…ハードディスクはもう寿命を迎えようとしていた…。
バックアップもろくに取れないくらい、そりゃぁもう…。



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