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■ 私のコスモポリタン
肝心なことは、メモも取らず、すぐに忘れてしまうのに どうでも良いことばかり、いろんな場所に書き留めてしまう。
引き出しの中や、本棚をごそごそとやっていたら、ルーズリーフやレシートの裏、 紙の切れっ端に、ペンで走り書きしたものをたくさん見つけた。誰かの電話番号、 カタカナの人名、幾何学模様を幾重にも重ねた図柄(きっと電話の最中に書いた ものだろう)、本からの引用、あるいは突飛なメッセージなど。
中には、「いいジョークは、何度も云わない方がいい」 とか、「常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションのことをいう」 など、誰の文句かもわからない代物まである。
暇に任せて、それらのメモをノートに並べてみた。 脈絡のない記号たちは、私のコスモポリタンのように奇妙に思える。 実質的な用途のない記号は、後になってみると、そちらの方が、ずっと 重要な意味を含んでいるのかもしれない。私が読み解くのではなく、これは、 私がいなくなった後に、他の誰かに読み解いてもらうべきものなのかもしれない。
2003年12月30日(火)
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