月のシズク
mamico



 Happy Lucky News!

嬉しいニュースが飛び込んできた。
大学時代の女ともだちが入籍して、その上おなかの中にはベイビーがいるという。
経過報告を箇条書きにしたメイルを読んで、まったく、と思い、よかった、と思う。

彼女、みゆきという、は大学時代の語学のクラスで、唯一の女ともだちだった。
ベルギーからの帰国子女で、ひとつ年上だった彼女は、頭が良くて、堪能で、
身軽で奔放で、プレイガールだったけれど、とても心の優しい女性だった。
長い休みになるとすぐにフランスやらオーストラリアに飛んでゆき、休み明け
に大学で顔をあわせると、旅先でのめくるめくアヴァンチュールを話してくれた。

私は、そんな彼女に何度もすくわれた。
グループで群れる女の子たちに馴染めず、気がつくと次第に孤立してゆく
私の傍に、なにげないそぶりでいてくれた。アナタのことなんてこれっぽっちも
気にしてないのよ、といった雰囲気で、愉快な話と高らかな笑い声を響かせて、
彼女は私の傍にいてくれた。そんな彼女を、まるで野生の鹿のようだ、と思った。

大学を卒業してからも、私たちは年に何度か顔を合わせた。
有能な彼女はすぐにバリバリのキャリア組になり、忙しい日々を送っていた。
「結婚ン?そんなの興味ないない」とか、「アタシ、子供って苦手なのよね」
なんて云っていた彼女も、今ではそのどちらも手に入れてしまった。
やれやれ、と思い、おめでとう、と思う。心から、そう思う。

「・・・ってなわけで、どうやら私のほうが結婚も出産も先を越したようね。
 しかし妊娠っつーのは本当に大変。仕事の50倍は大変よ」

長々しい箇条書きの近況報告は、こんな具合に締められていた。
いっしょにPTAができないのは残念だけれど、2月に子供が生まれたら
すぐに会いに行こうと思う。そして、女の子だったら「ママみたいに
いいオンナになりなさいよ」と云い、男の子だったら「ママみたいな
いいオンナをつかまえなさいよ」と云うつもりである。

2003年08月26日(火)
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