月のシズク
mamico



 じゅげむ、じゅげむ

BBSの方で、NHK教育の「にほんごであそぼう」の話題がやたらとホットになって
いたので、試しに今朝(午前8時)、テレビの前にスタンバってみた。
えーと、正直なところ、ド肝をヌかれて、テレビの前で固まってしまった。

10分間の短い番組(これは番組の対象が子供なので、短いコマなのだろう)の中
では、呪文のようなフレーズ(落語の一*)が、いろんなヴァリエーションで、
延々とリピートされてゆく。ちんまりと座った3歳児や7歳児の前にカメラが
固定され、ただフレーズを暗唱するだけのもの。女子高生たちが自転車に乗り、
横浜の至る場所で歌うように輪唱するもの。ゴスペル調にメロディを付けたもの。

・・・ザッツ オールである。

これには参った。なんとシュールな番組なんだ、とアタマを抱えた。
だって、展示品のような笑顔をまとった女子高生たちが、色ちがいの自転車に
乗って「じゅーげむ、じゅげむ・・・」と唱う(?)んですよ。異様である。
オレンジ鬼の妙な着ぐるみを着たKONISHIKIまで「じゅげむ、じゅげむ」なのだ。

しかし、この番組のテーマ「日本語で遊ぼう」には適っていると思った。
練習用テロップ(というのか?)が表示され、一度目はお手本で暗唱され、二度目
はテレビの前の私たちが練習できる仕組みになっている。そして、小太鼓の音が
読まれる文字のペースに合わせて鳴る。この音だけを拾ったとき、日本語本来の
リズムの躍動感と美しさに、はっとさせられた。頓知が効いたコミカルな節によく合う。
ははん、子どもたちも、大人たちも、これに惹かれたのか、と気が付いた。

他にもどんなヴァリエーションがあるのだろう、と考え始めた私は、もうすでに、
この番組に仕掛けられた罠に、すっかりはまってしまったのであった。

---
じゅげむ【寿限無】*
生れた男の子に檀那寺の住職から
「寿限無寿限無、五劫のすり切れ(ず)、海砂利水魚の水行末、雲行末、風来末、
食う寝る所に住む所、やぶら小路ぶら小路(藪柑子とも)、パイポパイポ、パイポの
シューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーの
ポンポコナの長久命の長助」
という長い名をつけてもらい、何かのたびにそれを繰り返すおかしみが狙いの前座ばなし。

『広辞苑』より

2003年08月01日(金)
前説 NEW! INDEX MAIL HOME


My追加