梅雨だけど梅雨らしくない今年の梅雨。
諸外国の方は日本へ来て、日本の夏の湿度の高さに驚かれるようだが、湿度さえなければ幾分かは過ごしやすいんだが…と毎年思う。
汗をかいて、乾いて、また汗かいて…。 しまいに身体がネチョついてくる。 腕の関節、膝の関節…曲げるごとに皮膚と皮膚が貼り合わさって、ネットリとしたハグをしやがるんだ。気持ち悪い。
今年の夏は、冷夏なのだろうか… 朝晩は涼しい。 窓を開けておくと涼風が、身体を心地よくなでてくれる。 寒いくらいの晩もあるね。
湿度ムンムンの暑い夏より、いくぶん冷える冬の方が脳は良く回転してくれる。
脳の回転で思い出したけれど、最近、養老孟司のファンである。
ヒットとなった「バカの壁」は賛否両論で、私は他の人の批評により食わず嫌いだったけれど、新聞の記事により急にファンになった。
内容は、どこぞの高校(もしくは中学)へ行って、講義をするというもの。
いろんな著名人がいろんな学校へ行って、たいそう興味深い講演をされていた。
養老氏の言葉のなかで私が魂を奪われたもの。
「なんで生き物(人間)を殺してはいけないか?それは2つとして【同じもの】を作れないから。ハエをハエ叩きで潰すのは容易だ。だけど同じハエを創り出すことは不可能でしょう?」至極たんじゅんな論理だけれど、すごく尊い言葉だと思った。
遅ればせながら本を2冊ほど買って読んでみた。
「現代人がかくも切れやすいわけ」というような内容の章があった。
現代人は目に見えているものだけを信じるというような傾向にあることが一つの難点である。 例えば、寝る事を惜しむ。 寝る事=何も考えていない=何も生産していない無駄な時間 と、とらえているフシがある。
人生の1/3は眠りである。
眠り=無 ではなくて、
ほんとうは眠っている間も心臓はポンプの役割を果たし血液を体内に運んでいるし、DNAもなんらかの動きをしている。 完全に臓器が働くのを止めてしまうと「死」ということになる。
起きて働いて思考している脳は、動き続けている間にカスのようなものが溜まっていく。 そこで睡眠をとることによって、この「カス」がキレイにされるそうだ。
キチンと寝ないとこの「カス」が取れない。 すなわち脳の回転がにぶる。という事に繋がるらしい。
目に見えるものだけを信じるというのは、ちょっとキケンな考えかも知れぬ。
ほんとうは、目に見えないものに大切な何かが隠れていそうな気がする。
例えば「心」は目に見えない。
「あなたを大切に思います。」と、字におこすことは容易でも、口で言うと言霊となり体内より出て行き、それは目に見えない。
見えないから無視するのではなく、見えないものも大切にしましょうという話し。
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