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HELEN&HEAVEN
Helen
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2004年11月23日(火)
ミニコンサート

歌(ジャズ・スタンダードポップス)の練習を休憩してから久しい。

リズム感のなさは到底直りそうにないので、今度習う時にはピアノにしよう。

今日は、勤労感謝の日。
祝日であるが、年末が近づくにつれ出勤日の会社が多いようだ。
我が社もそうである。

だけれど私は、以前から歌の先生に「11/23(祝)お手伝いに来てくれませんか。」と頼まれていたので振り替え休日にした。

京都を奈良寄りに南下したところに、その喫茶店はある。

坪数にすると100は軽くあるのかしら、アトリエ兼喫茶店と陶芸教室が並列してある。

アトリエ兼喫茶店には、グランドピアノが一台。

歌の先生が、そこでミニコンサートを開くという。

彼女は私より6歳ばかり上かしら、独身でセミプロ歌手です。
子供相手にピアノを教えていたり、ご婦人や紳士相手の合唱団に指導したりしている。
私は受付でチケット代金をいただき、人様の現金を預かる仕事なので少し緊張した。

その喫茶店がある敷地内に、カリンの木があったんです。
勿体ないくらいにボタボタ落ちた実が飽いた家人により、そのなりにされている。

あまりに甘い香りに心地よくなり、数個拾いオブジェにした。




店の横には野球場約1個分ぐらいの池があり、餌代わりのパウンドケーキの失敗作が投げ入れられ、錦鯉や小鳥がつつきにやって来る。

店の外の小さな木々には、女郎蜘蛛がネットを張って待っている。




先生はリハーサルの時はおざなりだった歌い方が、本番ではハリのある心に訴える歌い方に変わっていたので、さすがプロだわと感心。

先生の好みは矢野顕子とユーミンと…。
歌詞やメロディラインの綺麗な曲が続く。

一番最後に他の人のピアノ伴奏で「花」を歌われた。

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…いつの日か
…いつの日か 花を咲かそうよ…

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この歌は、去年、癌で亡くなった私の司令官の思い出の歌。

彼は、とある劇団に所属していて、自分でも脚本を書いたりしていた。

生前、彼と飲みに行った時、
「戦争の話しをモチーフに脚本を書いたとき、この歌をどうしても歌いたかってん。観客を泣かせてやろうと思って…(笑)。おじいちゃん・おばあちゃんが大半やってんけど、客席がシーンと静まりかえって、すすり泣きがあちこちから聞こえてきたよ。」と、言っていた。

高音が綺麗に出る人だった。
数曲歌うと人工肛門をつけた「お腹(腹筋)が痛い。」と、続けて歌うことをあきらめざるをえなかった彼。
いい人も何人か居たようだが、自分の環境や病気の懸念があって、ついぞ所帯を持つこともなく逝ってしまった。

秋の午後…
陽射しにとけ込むような、伸びのある先生の歌を彼に聴かせてあげたいな…と、ふと思った。

ラミネートされた写真の彼は、私のシステム手帳の中で、いつでも笑っている。