長年、私の歯の面倒を見て下さり、そして長期に渡って人生の師であった歯医者のジィちゃま先生(81歳亥)は、GW前に東京に転居された。
今秋まで2,3度の電話のやり取りがあった。
一度は私の携帯に着信履歴があったので「先生、何かご用でした〜?」とかけ直すと、
「はて〜〜〜〜?何やったけかな〜?忘れてしもうた〜〜〜。」
可愛いんだけど、リーチ感が強い。
彼が京都で開業している頃はよく会社に「今日の仕事帰り、(医院へ)寄ってくれるか〜?」と電話がかかってきた。
会社の者は皆「Helenさんって歯医者さんと友達なのー?!すっごーい!!」って驚くけれど、実際は、そんなご大層なものではない。 極端な話し、ていのいい『パシリ』なんである。
★ 文書の拡大コピー ☆ 文書のワープロ打ちによる清書 ★ 彼の愛飲する葉巻や両切りタバコの調達 ☆ 彼の要求する書籍のネットでの調達 ★ 咬合の実験アルバイト ☆ wowowでの映画録画
ビデオのダビングや拡大コピー、文書打ちなんかは1件につき、¥1,000ぐらいもらっていたから、あながちただ働きではない。
それより私は私の人生の上において一番大切に思う【知的財産】(無形のものであるが)を彼からいただいた。
政治・経済・哲学・雑学等…彼からは、人生80年生きてきたノウハウを、たぶん一部にしか過ぎないだろうけれど、学んだ。 私には、両祖父の思い出がないから、肉親のように接してきたつもりだ。
そんなジィちゃま先生が探していた書籍がひょんな事から見つかった。 たまさか、京都駅の地下街の一画で期間限定の『古本フェア』がやっていたんである。
ジィちゃま先生はいかんせん、歳だから、本の題名を少し誤って私に伝えていたんだな。 いくらネットで検索しても、ひっかからなかったハズだ。
その本が、たまたま、立ち止まって見た通路に面していた本棚にあった。
「(゜O゜;アッ!」
その本がなかったら、その古本フェアも素通りし、いつも通り、電車乗り場まで行っていただろう。
すぐさま、その本を手に取り、そして数冊隣にあったのが、今回、朗読の試みをしている『清水寺貫首・大西良慶の “ゆっくりしいや〜”』である。
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