人間の悪いクセは…
『人さまに忠告をすること』だそうだ。
月曜日からPHP出版のカセット・ライブラリを通勤の往復…と、会社に着いてからもお掃除しながら、しつこくポータブルMDで聴いていた。
エンドレスで聴いていた。
板東英二声の関西弁の大学教授が、講師をなさっている。
1本まるまる聴いて、いちばん印象に残ったのが冒頭のワンフレーズだ。
先生さまは「人には絶対、チュウコクをしてはいけません。」と仰っている。
なぜならば…
本人にとっては<善意>のつもりでも…
「自分はお前より優れている。」 「お前は自分よりも劣っている。」
相手からしたら<言葉のゲンコツ>らしいんだ。
そうね、【忠告】の名を騙って、相手を思い通りに動かしたいのかもしれない。
私には、ずいぶん長い間、仲良くしていた友達がいた。
美人で華やかで確固たる意思を持っていて、自分の描いたシナリオ通りに人生を歩んでいるひと。
憧れで、友達で居ることが嬉しくて、かなり影響されていたように思う。
…ある時、忽然と「いくら影響されても、私には私しか歩み得ない人生がある。」という当たり前の事実にはっと気づいた。
…と同時に、かなりの批判をある時から「もう、要らない。」と思うようになり始めていた。
「あなたのために苦言を呈す。」とか…
「あなたのためを思って。」とか、口癖だった彼女。
額面通りに当分うけとめていた自分が、バカに思えてきた。
…んまぁ、下の目線に見られているような気がしないでもなかったけれど、自分自身が認めたくなかった、友達だと思っていたから…。 どんな言葉の刃だって甘んじて受け止めていたわ。
「遠慮のいらないのが友達同士。」という彼女の理念のもと、いつも彼女に言われているような事をお返しに言ってみたら、逆上されてしまった。
妙に鼻白んだ記憶がある。
【忠告】というペルソナを被って、後ろ手に鞭を隠し持つ…
そんなことを、自分はしないようにしなければ。
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