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HELEN&HEAVEN
Helen
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2002年06月06日(木)
らっきょう < Shallots >

らっきょうには本当に申し訳なかったです・・・。

私の成人するまでのらっきょうに対するイメージは、あの独特の匂いと、あまったるさにより、老女のこめかみに貼った“こう薬”だったのです。

極端な言い訳をすると、自分とは遙かかけ離れた「宇宙人の食べ物」とさえ、思っていたほどだ。(しかし、今の自分はだんだん宇宙人の年齢に近づきつつある・笑)

そんな苦手な食べ物が大好物に変化したきっかけは、空腹です。

とあるホテルレストランのウエイトレスをしていた頃、

ある朝、カレーライスにセットでつけていく薬味を詰める作業をしておりました。

けっして体力のあるブルーカラーで無かった私はいつも疲れて遅刻ぎりぎり・・・朝食抜きがつねでした。

その朝も空腹で目眩がしそう、お腹が「ぐぅ」と鳴いておりました。

「(@O@) ぐぉ〜っ、ひもじい。何か食いてぇええ〜。」

小さなガラス容器に詰め詰めしている福神漬けやらっきょうでさえも、かめへんわ!つまみ食いしたろかいな。

とりわけ、レストランで出すかわゆいサイズのらっきょうは、真珠のように光り輝き私を誘っている。

「あぁ、もう、UFOに連れ去られてもいいわ。こめかみにこう薬も貼ったろかい!(←これは、ウソ)背に腹はかえられぬ。」

パクっ・・・一粒口に入れてみる。

「おや〜?(・ε・?」

あの鼻腔を激しくつく酢酸系の匂いがしないわ。
漬かりたてほやほやでなかったのが功を奏したのか?

割とイケるくちやん?!ヒャホーーイ! ( >ワ<)丿



その頃、一人暮らしが浅く心細かった私は、よそのお宅におよばれすることが多かった。

偏食を直すこと!−が、目下の目標でした。

だって、およばれしたときに好き嫌いしていては失礼ですからね。
↑ 建前

↓ 本音
次から呼んで貰えなくなるやん。

(自費でアメリカ留学を志していた私は、猛烈に貯金に励んでいた頃でもあったから、エンゲル係数は一番の押さえどころでしたのね。)

自分では頑なに食べられなかった食べ物が食べられるようになった。
これは、革新的。

食べられなかったというより、食べることを拒んでいたんだな。
どこか、格好をつけていたのだろうか。

母の漬けてくれたらっきょうがやっと食べられるようになった。
喜ばしいことです。

去年は、根こそぎさらって帰って、ちまちま大事に食べていたんですが、そんなに持たなかったです。残念。

食べちゃった!もう無いよ〜

今年は、思う存分、「もう、欲しくない〜。」って言うくらい、所有してみたい!!

勿論、母殿にもリクエスト!

私:「おかん、今年もらっきょう漬けておくれ。(=^・^=) にゃうン♪」

母:「あんた、今年は自分で漬けるゆうてたやないの?!」

私:「自分でも漬けるけど、すぐになくなるから、おかんさまも漬けてください。」

母:「(´o`;)… … …」(→ あきれた子だよ。>おかん心の声)

ーらっきょう がんばる図ー

検索エンジンに「らっきょうの漬け方」と入力して、確定キーを押す。

なんて便利な世の中でしょう?!(^^ )ルン♪

本屋さんにも、図書館にもいかなくって済むよ。

ほどなく、プリントアウトされた調理法が出てくる。

☆らっきょうには、「洗いらっきょう」と「根つきらっきょう」があって、本格的には、根つきの方でしょうが、お目にかかるのは少ないし手間も沢山かかるので、

この際「洗いらっきょう」にしときましょ。
スーパーに沢山売ってるしね。

そして、「洗いらっきょう」の産地は二種類あって、一つは、日本(主に高知や徳島)産で、もう一つは、亡命者が最近駆け込んだ領事館のある某国産・・・。

母が言うには、「某国のは歯ごたえがなくってあかへん。」らしいです。市販の有名どころのらっきょうは、ほとんど、この国のね。安価だし・・・。丸みを帯びているからすぐわかる。
日本のは、細長くってすこし曲がっている。
(国産とはいえ、日本から苗を持っていって、違う国で作ってるやもしれぬ、牛さんみたいに・・・。)

らっきょうは、古ければ古いほど、歯ごたえがあって美味しい・・らしんだな。ちょうど木に年輪ができるように、らっきょうにも、年輪が重なればそれだけ、噛み応えが出てくるということか・・・。

ちょうど、高知産のらっきょうが沢山でまわってます。
5,6月が旬だしね。値段も週単位でがんがん下がっていく。

購入したその日に漬けるのが望ましい、日数が経てばおいしさが減じていくと書いてあったが、すでに下加工してある洗いらっきょうはそんなに敏感にならなくても良いだろう。だけれど、購入したその日に私は、漬けました。

「3キロぐらい漬けてやろ。」

1キロは、普通の漬け方。
もう1キロは、紫蘇を入れて、ルビー色に。

そして、もう1キロは、たまりらっきょうにするねん。

(゜▼゜*)ウヒヒヒ 

(ーρー)ジュル よだれがでちゃうよね。

★ 漬けあとのらっきょう調理液が白く濁ってくると、菌がまわって失敗した証拠だから、滅菌には注意をせねばねば。

湯沸かしポットから熱湯をとり、静かに瓶を熱湯消毒する。
ついでに、自分の指先を熱湯消毒してしまい、あちちち・・。

百円ショップで購入した大きなザルに3キロ分の洗いらっきょうをぶちまけて、流水でゆるりゆるり洗い流す。

タマネギの薄皮のような皮が、らっきょうさんからも出てくる。
どんどんどんどん、脱皮する。
あ〜、らっきょうが無くなってしまうーーーー。(i_i)

適度に切り上げて、水をきり、瓶に移す。

今回購入したかったのは、単純に1リットル瓶を3つでよかったんだけど、なぜか、最低が1.5リットルのしかなかったんだよね。

☆らっきょうは基本的に、調理液からにょきんと出てはならず、調理液より下にみっちり漬かってないといけない。
※根つきらっきょうから本格的に漬ける場合は、先に塩漬けするので、その時には、おもしを利用するようです。

1.5リットルで果たして、スカスカになれへんやろうか?

そんな危惧は、すぐに解消。

だって、らっきょうにはカサというものがありましたんや。

1.5リットル瓶に均等に分けても、まだ、あまったので、1リットルくらいの空き瓶にもいれる。

それらの瓶に、静かに米酢を注ぎ入れる。
本当は、「酢・砂糖・水」を煮沸して調理液をつくる方法が、液が安定して殺菌力もあるらしいが、

母から習った方法は、「煮立たせない」から、そのままでいいや。
計量カップではかるのも邪魔くさいからそのまま注ぐ・・。

8分目いれてから、はっと気づく。「水を入れないと!」

ミネラルウォーターを申し訳程度に注ぐ。(水道水は不可)

その上から、蜂蜜を注ぎ入れ、そして、最後に砂糖と鷹の爪と、出し昆布を加える。砂糖は、ザラメ・三温糖・氷砂糖・白砂糖をお好みで。お塩を少量。

私は、ザラメを使用しました。
ザラメ・三温糖は、他の砂糖に比べて甘みが少ないらしいので、量を1.25倍から1.5倍まで増やすらしいですが、

このヘンの量も適当。

らっきょう漬けの甘みはあとから増やせるんです。

鷹の爪も辛めが好みなら沢山入れるとピリ辛らっきょうができますし。

そして、1つの瓶には、お塩の代わりに、たまりしょう油を注ぎ入れる。

もう1つの瓶には、これまたお塩の代わりに、すでにあく抜きしてある、市販の紫蘇の水洗いしたものを入れて、それぞれふたしていきます。
できあがりを冷暗所で保存と書いてありますが、私は冷蔵庫へ入れました。

だいじな作品を腐らせたくないからね。

何年前やったかな、パートのオバチャンに梅干しの作り方を習って、チャレンジしてみたが、カビさせてしまった苦い思い出があります。
可哀相におもったおばちゃんは、一瓶(2リットルくらい)分けてくださいました。

さて小さな、冷蔵庫内の殆どがらっきょう瓶でうまってしまった。

それからもう、気になって気になって、何回も冷蔵庫を覗いてます。

6日経過したけれど、濁ってこないし、一応は、成功♪

・・・というか、その日の数時間後にすでにかじって味見したんだ。
(本格的な食べ頃は、2週間後)

やはり甘みが足りない。

紫蘇ルビー瓶には、氷砂糖。

ほかの瓶には、ザラメを追加。

おそらく秋口にはすっかりなくなっていることでしょう。

らっきょうを、1日5粒の根拠は何かな?

血がサラサラになると言いますね?

自分で自分のお口のなかが臭くなるのは閉口するけれど、去年はすくなくとも夏ばてしなかったです、思い起こせば。

らっきょうね、冷凍保存できるんですよ。
小さなタッパに入れてお弁当に持っていく。

料理のアレンジとしては、タルタルソースに刻んで入れる。

らっきょうを刻んで焼きめしにも利用したりできるそうだが、
これにはチャレンジしたことはない・・・。^^;;

とにかく、

成功に気をよくした私は、1日に何度もらっきょうを見る。

台所の窓から注ぐ柔らかな光りに瓶をすかして見る。

ルビー色と、琥珀色(ザラメをつかったから)と、
コーヒー色の瓶。

私は、19歳で独立するまで、みそ汁ひとつ調理できなかった。

感慨に耽る.....。