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2007年02月06日(火) ■ |
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世界各地でジョークの”標的”にされている日本人 |
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「週刊SPA!2007/1/23号」(扶桑社)の「SPA!RESEARCH〜海外で遭遇した『日本人差別』の実態」より。
(ベストセラーとなっている『世界の日本人ジョーク集』の著者・早坂隆さんが語る「なぜ日本人は、外国人から揶揄されてしまうのか?」というインタビュー記事です)
【これまで日本人が被った海外での差別体験を見てきたが、世界中で交わされるジョークでも日本人は諸外国より揶揄されているようにも見える……。世界50か国を訪れてジョークを集め、70万部の大ベストセラーを記録した『世界の日本人ジョーク集』(中公新書)の著者・早坂隆氏に、その実情を聞いてみた。
早坂「実は揶揄されているばかりというわけでもないんです。人種からくる行動の違いを笑いのネタにする”エスニックジョーク”では、アメリカ人=自慢好き、イギリス人=堅苦しい、ドイツ人=真面目、フランス人=女好き、ロシア人=酒好きというのが定番。日本人は金持ち、ハイテク、勤勉というイメージで、確かに笑いのネタにされていますが、同時に一定のリスペクトも受けている。例えば、いまだ根強い金持ちのイメージも、拝金主義を揶揄される一方で、経済大国としての羨望を集めてもいる。今の日本人は不景気だとボヤきますが、世界から見れば十分裕福です。餓死者が出る国すら少なくないわけだし……」
日本人がジョークのネタにされる理由はほかにもある……。
早坂「よく言われているように、和を尊び、総じて控えめな集団生活の民族性は、すぐ謝る、お辞儀をする民族としてジョークにされやすいんです。実際、とりあえず”Excuse me”から会話に入る日本人は多いですし。日本語の『すいません』の意味で使っているんでしょうが、欧米人から見れば突如として謝っているよう。しかも、個人主義の欧米では、謝ったら負けみたいな考え方もあるし、余計に奇妙に映る……。その分、民族としてキャラが立っているからネタになるんでしょう(笑)」
世界各地でジョークの”標的”にされている格好の日本人だが、
早坂「アジアの国では、ジョークのネタになるのは中国と日本くらい。でも、いわば世界からその存在を認められているということでもある。将来、日本人ジョークがなくなったとしたら、そのほうが、国としてはマズいんじゃないでしょうか」】
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まあ、ジョークのネタにされるのは、確かに「有名税」みたいなもの、なのかもしれませんね。かなり歪められたものであっても、世界中で「日本人」という民族が認知されているというのは、けっして悪いことばかりではないはずです。「ネットの某巨大掲示板で悪口を書かれまくっている芸能人」と、「某巨大掲示板で話題にさえものぼらない芸能人」とでは、どちらが成功しているかと言われれば、やっぱり前者のほうですしね。もちろん、個々の悪口に関しては、ムカついたりイヤになったりすることも多いのでしょうけど。
実際は、僕がこの早坂さんの話を読んで、「酒が飲めないロシア人だっているだろうに」と思ったように、こういう「民族性」っていうのは一種の象徴的な記号みたいなもので、どこの国の人も「国民全員がそういう人」だとは考えていないのではないでしょうか。でも、何年か前に、アメリカでのインタビューで、「日本にはまだニンジャがいる」と真顔で答えていた人を観たので、そういう「先入観」とか「典型的なイメージ」といのは、なかなか払拭できないものなのかもしれませんね。そもそも「金持ち、ハイテク、勤勉」というようなイメージは、ジョークに登場するキャラクターとしてはかなり感じ悪そうですが、「金持ち」や「勤勉」であることそのものは、けっして悪いことではないですし、あまりこだわりすぎないほうが良いのかも。
「とりあえず”Excuse me”から会話に入る日本人」というのは、僕もそのひとりなので、非常に耳の痛い話ではあります。僕たちだって、いきなり「ごめんなさい」から会話に入ってこられたら、「えっ、何で謝るの?」って違和感があるでしょうし。ああ、でも日本って、他の人の家の玄関に上がるときからすでに「ごめんください」だから、そんなに違和感ないのかな。 ただ、そういうのって、諸外国からみれば「奇妙」ではあるかもしれないけれど、少なくともそんなに「不快」ではないのでは……という気もするのです。「海外でナメられないように」と、東南アジアの国で、ガハガハ笑いながらやたらと偉そうにしている人たちよりは、はるかに良心的に思えますし。 そういえば、何年か前にアメリカで国内便の飛行機に乗ったとき、隣に座っていたアメリカ人らしき若者が、飛行機が離陸してシートベルトのサインが消えた途端に空いていた後ろのほうの席に移っていったことがあったなあ。気持ちはわかるし、周りが空いている席のほうが良かっただけなのかもしれないけれど、あれは、日本人ジョークよりもはるかに僕を傷つけた出来事でした。いや、傷ついたとか言いつつ、いろいろ英語で話しかけられたりするよりはマシだな、とかも考えていたのですけど。
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