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2006年08月28日(月) ■ |
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長澤まさみ、もう逃げられないぞ! |
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「週刊ファミ通」(エンターブレイン)2006.9.8号の映画『ラフ』の紹介記事の「原作者・あだち充先生インタビュー」より。
【インタビュアー:あだち先生は青春マエストロと言われておりますが……。
あだち充:(笑)一時期は青春じゃないものがやりたかったけど、ここまでくると、この作風を極めてやろうと。だって、もう高校生描いて30年ぐらいでしょ。連載しているマンガといっしょに、高校を何校も渡り歩いたよ。
インタビュアー:やっぱり先生にとって高校生活というのは特別なものでしたか?
あだち:大きいですね。マンガばっか描いてたけど、それでも日々いろんなことがあったから。僕は文科系で体育会系の苦労をしていない。現実を知らないから『タッチ』みたいな作品が描けたんですよね。
インタビュアー:『ラフ』の亜美や『タッチ』の由加、『みゆき』など、妹キャラというカテゴリーを作ったのは先生だと勝手に思っているんですが……。
あだち:妹が欲しかったからね。理想の妹を描いたという部分もあるかも。
(中略)
インタビュアー:先生の作品はこれまでにアニメ、ドラマ、映画といろんなメディアで登場していますが、今回はどうしてオーケーを出されたんですか?
あだち:そりゃ、長澤まさみの水着が見られるということで……。
インタビュアー:(笑)やっぱりそうでしたか!
あだち:『タッチ』はレオタードかと思いきや体操着で……。『ラフ』ならもう逃げられないだろうと思った(笑)。そもそもマンガのテーマを水泳にしたのもヒロインがいつも水着で読者サービスが文句なくできるから。でもプールで水着ってのが当然すぎて、あんまり色っぽくなかったのは計算外だった(笑)。】
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「青春スポーツマンガの巨匠」、あだち充。僕は学生時代はあだちさんの作品って、あまりにも理想的・健康的すぎる気がして、あまり好きじゃなかったんですよね。「こんなかわいい幼馴染なんて、いるわけねえだろ!」とか「いくら才能があっても、付け焼刃で甲子園に出られたりしないだろ!」とか。ほんと、文科系の僕にとっては、「こんなのありえねえ!(でもちょっと羨ましい)」世界ではありました。 しかし、このインタビューを読んでみると、実は、あだちさん自身も「マンガばかり描いていた、文科系の青春時代」を送っていたみたいなのです。御本人の分析によると、むしろ「現実の体育会系」に染まっていないからこそ「理想の体育会系の世界」を描くことができたのかもしれません。やっぱり、実際に自分が体験していたら、「これはちょっと美化しすぎだよな」とか、ちょっと引いてしまう面もあるでしょうから。 そもそも、『みゆき』みたいな妹なんて現実にはいないですよね絶対。そこを「嘘つき!」と否定するか、「こんな妹がいたらいいなあ……」と憧れるかによって、あだち作品を好きになれるかどうかというのは分かれてくるような気がします。
それにしても、『タッチ』での長澤まさみさんの「体操着」には、確かに、多くの人ががっかりしたと思われます。正直、僕もちょっと失望しました。そんな浅倉南、ありえないだろ……と。まさか、原作者のあだちさんまでもが、同じようにがっかりしていたとは知りませんでしたけど。 でも、『ラフ』のヒロインの二ノ宮亜美は「高飛び込みの選手」ですから、さすがに「もう逃げられない」ですよね長澤さんも。いくらなんでも、体操着で高飛び込みはできないでしょうし、『ラフ』を映画化するのなら、飛び込みのシーンを全くやらないわけにもいかないはず。
ほんと、あだち充というマンガ家は、サービス精神旺盛な人だなあ、と思います。でも、御本人も仰っているように、せっかく長澤さんを水着にすることに成功しても、実際に観てみたら、「プールに水着って、当たり前すぎて、あんまり色っぽくない」のかもしれませんが。
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