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2006年04月08日(土) ■ |
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スポーツライターの必要条件 |
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「ダカーポ・579号」(マガジンハウス)の特集記事「『食える!』ライターになる」より。
(スポーツライター・金子達仁さんが語る、「スポーツライターの必要条件」)
【金子さんに、スポーツライターに必要な条件について聞くと、「どの分野のライターでも同じだと思いますが、ものを書く仕事ですから、今までの人生でどのくらいの本を読んできたか、これが決定打。模倣の引き出しは多い方がいい。海外のミステリーが好きで、カッコいいフレーズは常に書き留めますね」 その次が、取材対象のスポーツ選手に好かれること。 「好かれるのは、子供の頃から運動が得意なタイプですね。勉強ばっかりやってたっていうタイプはまず好かれない。でも、スポーツやってた人で、原稿が書ける人って少ないんですよ」
できれば、客商売を3年ぐらい経験してから、ライターになったほうがいいと金子さんは語る。「それからでも決して遅くないし、誰とでも気さくに話せるようにならないと、インタビュアーはつとまらない。気の合う選手ばかりじゃないですからね」 金子さんの場合は、学生時代の飲食店での猛烈バイト経験が、かなり役に立っているようだ。】
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あの中田英寿選手とも親交が厚い金子さんなのですが、ここで語られている「スポーツライターに必要な条件」というのを読んで、僕は「ああ、僕はスポーツライターには絶対になれないなあ…」と痛感しました。ライターという仕事は、たくさんの有名人に会えて自分が書いたものが雑誌に載って、それでお金も貰える羨ましい職業だと思いこんでいたのですが、実際はそんなに甘いものではないみたいです。 そもそも「本をものすごく読んでいて」「子供の頃から運動が得意なタイプで」「誰とでも気さくに話せる」なんていうのは、僕にとってはスーパーマンです。僕に言わせれば、「子供の頃から運動が得意」なら、わざわざ読書にふけったりしないような気がしますし、実際に「運動が大好きな読書家」というのは、かなり少数派なのではないでしょうか。読書っていうのは、インドア派の代表的な趣味みたいなものですし、そんなにスポーツが好きならば、文章にするより、自分の身体で表現したほうが、よっぽど楽しそうです。そう考えたら、「スポーツをすること」と「スポーツを文章にすること」というのは対極にあるのかもしれませんし、スポーツと文章との相性は、けっして良くはなさそう。 でも、やっぱりスポーツを言葉にするというのは、自分でワールドカップに出たり、球場でホームランを打てない人々にとっては、「自分も参加できる」という点で、非常に魅力的なことではあるのです。 どんなスーパースターでも、インタビュー相手としてやりやすい人かどうかは、また別の問題です。ライターというのは、どんないけ好かない取材対象に当たってしまっても、「相性が悪いから話せません」なんて言えないのですから、凄い忍耐力を要することもある職業なのですよね。 確かに、スポーツライターというのは、「狭き門」だよなあ。
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