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2006年02月22日(水)
実録!「ライブドア関連株」を持っていた男

「パチンコ必勝ガイド 2006.3.16号」(白夜書房)のコラム「カブボロ」(グレート巨砲・文)より。

【半年前から株をやってました。相場なりに儲かっていたけど、いろんな銘柄を買っていると、よっぽどのことがない限り1日の値動きは1%前後。思ったよりシケたギャンブルだな〜と思って、株の入門書ではたいてい「素人は手を出しちゃダメ」と書かれている信用取引に手を出してみた。
 信用取引について説明すると、株や現金を担保に証券会社から株を借りての取引をすることで現金の約3倍の取引ができる。つまり勝つときは3倍だけど、負けるときも3倍速なわけ。さらに、いろんな株を買ってると1日の値動きは相場なりになるからってんで、銘柄を絞って購入。するとどうだろう。オデの買った銘柄がラッキー・チャチャチャなことにグイグイ上がっていくわけ。パソコンの画面をクリックするたびに画面のお金が増えているんです。「これは株で食っていけるんじゃねぇの?」と思ったところで、そうみなさまお待ちかねのライブドアショックですよ、ええ。
 ごっそり持ってましたよ、ライブドア関連&新興銘柄(あくまで関連で本体は持ってない)。いや〜、勝つときも早いけど、負ける時はもっと早い。もう、雪崩をうって画面のお金が減っていくわけですよ。で、証券会社からはお金を入れないとピンチですよ。相談したいことがあるので電話くださいってメールがくるわけですよ。うっさい! 売りたくても取引が成立せんのじゃ、ボケ! 幸いオデの株は相当安いときに買ってたので、4日目に元の値段くらいで売れてどうにかなった(ホントはなってない)んだけど、株で首をくくるメカニズムがわかったよ。信用取引、超危険です。入門書、良いこと書いてるね。うん。
 値段がついた後、、ふと鏡を見たらあれ、なんかオデ痩せてない? 値段がつくまでの間は毎日、胃がキリキリで痛みを紛らわせるためにパクパク、パクパク食ってたんだけど、体重計に乗ったら4キロ減ってたよ。しかも、その後おしっこしたら尿に赤いモノが交じってるし…弱いぜ、ヒューマン。そして怖いぜ、株。こうやって書いてる間も思い出して、胃がキューッ!ってなってきたよ。】

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 いや、がんばって稼いだお金を銀行の普通預金口座に預けていても、何回か時間外に自分のお金を下ろせば消えてなくなるくらいの「利子」しかつかないような時代ですから、僕も「投資」とかをちょっと考えてみたりもしていたのです。あの「ライブドアショック」に関しても、不躾ながら、正直「あんな胡散臭そうな企業の株なんて買うから…」なんて他人事のように感じていました。でも、実際にそれを「体験」してしまった人のこの文章を読んでみると、やっぱり株というのは、僕には向かないというか、手を出さないほうがいいシロモノだなあ、と痛感したのです。ネット取引の増加などで、昔より身近になっている印象があったのですが、身近なだけに怖い面もかなりありそうです。
 「株」っていうのは、「安定している企業の株しか買わない」ならば、そんなに大きなリスクはないのかもしれません。でも、それだとせいぜい1日1%の「相場なり」の値動きしかないのですよね。それでも銀行の預金の利子に比べたら、うまくやればはるかに儲かりそうなのですが、確かに「株で億万長者!」というイメージよりは「しけたギャンブル」とか感じてしまいそうです。でも、「大きく儲けよう」と思うと、今回のライブドア事件のような「暴落」のリスクも抱えなければなりません。

 【もう、雪崩をうって画面のお金が減っていくわけですよ。で、証券会社からはお金を入れないとピンチですよ。相談したいことがあるので電話くださいってメールがくるわけですよ。】という体験談を聞くと、当事者にとってはすごいパニック状態だったのだ、ということがよくわかります。僕はライブドア株の暴落の際に、みんがあんなに日々安くなっていくのにライブドア株を売っているのを見て、こんなガンガン下がっているときに二束三文で売ってしまうよりは、むしろ、今は動かないで一発逆転に賭けたほうがマシなんじゃないか、とか、こんなに安くなっているのなら、今こそが「買い」なのではないか、とか考えていたのですが、ライブドア株を持っている当時者にとっては、その「どんどん画面のお金(=自分の資産)が減っていく状況」そのものに耐えられなくなってしまうのですよね、きっと。

 「株は簡単になった」って言いますけど、取引そのものが簡単になっても、株そのもののリスクが軽減されたわけではないみたいです。片手間にひと稼ぎ、なんて甘くみていると、とんでもないしっぺ返しに遭うような……
 研究熱心で本気で取り組む気概がある人以外は、せいぜい、好きな会社の株を特典目当てに買うくらいにとどめておいたほうがよさそうですね。