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2006年02月03日(金)
「レースゲーム脳」参上!

読売新聞の記事より。

【松山市で昨年12月、同市立中学3年の男子生徒(15)が、市内の市道などで約3時間にわたって断続的に車を運転し、幅がわずか5メートルの道を時速約100キロ以上で走行したり、急発進・急減速を繰り返したりしたあげく、ひき逃げ事故を起こし、松山東署に業務上過失傷害、道交法違反(ひき逃げ、無免許)容疑で逮捕されていたことがわかった。
 ゲームセンターのレースゲームで運転技術を磨いたという男子生徒は「本物の車に乗り、スリルを味わいたかった」と供述している。
 調べでは、男子生徒は昨年12月10日午前0時ごろ、盗んだ乗用車に仲間の少年少女5人を乗せて、松山市南西部の住宅街の市道などを暴走。赤点滅の信号を無視して交差点に進入、タクシーとぶつかり、タクシー運転手の男性(51)ら6人に重軽傷を負わせた疑い。男子生徒は2日後に逮捕された。
 調べに対し、男子生徒は、週末には親や先輩の車を借りて公園や港の岸壁で運転し、「運転技術には自信があり、公道でスピードを出してみたかった」と話しているという。
 捜査員は「幅約5メートルの細い道で100キロも出すなんて信じられない。ゲームの影響かもしれない」とあきれている。】

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 またまた出た!ゲーム狩り記事!という感じです。ほんと、「ゲーム」「アニメ」「医者」は、メディアにとっての「バッシング3種の神器」なのではないかと思えてきます。この記事を読んだ「善良な市民」たちが、「危険なレースゲーム根絶」なんてことを訴え始めないことを願っています。
 僕もレースゲームは大好きで、それこそ「ポールポジション」(ナムコ)の時代から、ずっとレースゲームに接してきているのですが、だからといって、無免許運転をしたり、暴走行為をしたことはありません。
 確かに、最初に自動車学校に行く前までは、「こんなにゲームで運転に慣れているんだし、きっと自分は運転が上手いに違いない」とか、思い込んでいたのですけど。
 しかしながら、実際に自動車教習を受けてみると、やっぱり、ゲームとは違うのだ、ということに気がつきました。いや、なんというか、怖いんですよ車の運転って。ゲームって、いくらクラッシュして車が爆発炎上しても何秒かすれば元通りになってゲーム再開なのですが、実際の車の運転では、それこそ「一瞬のミス」も許されないのです。コースとか操作に関しては、はるかに「ゲームより簡単」なはずなのですが、それでも、はじめて路上に出たときには、とにかく緊張しまくって疲れ果ててしまったような記憶があるのです。どんなにゲームが進化しても、「現実とゲームは違う」のは、当たり前のことなんですよね。だって、車の運転なんて、ちょっと油断しただけで殺人者になってしまう可能性があるのだから、そのスリルは、どんな派手なゲームより、はるかに大きいものだと思いませんか?
 逆に、だからこそ、多くの大人たちが、ゲームの中で「暴走」して快感を得ているのです。こういうのがキッカケで「安全運転シミュレーション」みたいなゲームばっかりになるとしたら、なんてつまらない世の中なのだろう!
 ゲームが運転シミュレーターなどの形で社会に還元されているというメリットも考え合わせると、率直なところ、こんなので「ゲーム狩り」が行われるのには納得がいきません。こういうのって、盗んだ車ならともかく、子供に車を運転させる」というリスクを考えずにホイホイと車を貸してしまう親とか先輩が悪いのですよ。「レースゲームの影響」とか言う前に、なぜそれを問題にしないのでしょうか?「レースゲームのせい」というより、「レースゲームと現実の区別もつかない人間になった原因」のほうが、重要なのでは?
 そもそも、ゲームと現実の区別もつかないようなバカには、ゲームという高尚な趣味は、勿体無さすぎなんだよなあ。