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2005年09月15日(木) ■ |
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ムツゴロウさんの語られざる「暗黒面」 |
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「週刊アスキー・2005.9.13号」の対談記事「進藤晶子の『え、それってどういうこと?』」より。
(元アイドルたちに赤裸々に現役アイドル時代の思い出を語らせた「元アイドル!」などの著書がある、プロインタビュアー・吉田豪さんと進藤さんとの対談記事の一部です。)
【進藤:やっぱり人間的に振り幅のある方への興味が強いのかしら。
吉田:うーん、本人のキャラクターそのものがスゴい人、ガッツさんなんかはそうですよね。あとはギャップがある人。なかでもムツゴロウ(畑正憲)さんは最高でしたよ。
進藤:ムツゴロウさんのギャップ?
吉田:正直、ムツさんのことはそんなに好きじゃなかったんです。だからちょっと視点を変えて、動物のことは一切触れず、”バイオレンス&セックス”をテーマに話をしてみようと。指を噛み切られた時期だったし、ムツさんがいかに無茶してきたかっていう話をメインに訊いたら、「そんな話を訊かれたのは、はじめてですよ!」って大興奮しながら、ご本人もすごく喜んでくれて。で、そのとき「アンタ、これから絶対に売れるよ!」と言ってくれたんです。
進藤;私もムツゴロウさんにインタビューさせてもらったけど、ノリノリじゃなかったなあ(笑)。
吉田:テレビの海外取材のときの話も、「向こうの人は収入が低いからお金をあげると喜ぶんですよ!」とか無邪気に言うんです(笑)。それ以外にも相当ヤバイ話してましたよ。でも周囲から、あれはちょっと行き過ぎって話があったんでしょうね。だから単行本では残念ながら未収録になってしまったんですけど。】
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ちなみに、【この話が単行本未収録になることをムツゴロウさんに連絡したら、ムツゴロウさんは「あなたは絶対に成功する、と吉田さんに伝えてください」とまた言ってくれた】そうです。吉田さんにとってだけではなく、ムツゴロウさんにとっても、記憶に残るインタビューだったんでしょうね。 ムツゴロウさんこと畑正憲さんに対して、世間一般のイメージとしては、「動物王国」の一風変わってはいるけれども、動物好きの優しいおじさん、という感じだと思うのですが、考えてみれば、あれだけの「王国」という組織を維持していくには理想だけではうまくいかないものでしょうし、あれだけ野生動物とわかりあえるというのには、ただの「優しいだけのおじさん」には難しいのではないかという気もします。そういえば、ムツゴロウさんって、麻雀の達人としても知られているんですよね。「純粋無垢」なだけ、では、動物たちとわたりあっていけないに違いありませんし、それが「善い」とか「悪い」というよりは、「人間って、そういうもの」なのでしょう、たぶん。「お金をあげると喜ぶ」というのは、「差別的表現」の範疇に入るのでしょうし、「良識派」の人々は目をひそめてしまうのかもしれませんが、ムツゴロウさんは、「実際にそうだから、そう言っている」だけなのですよね。まあ、それを「公言」するのは、いろんなしがらみもあるのでしょうし、「事実であるということ以外に、何のメリットもない」ですからねえ…
それにしても、こういう話を読むと、「その人の生の言葉が訊ける」と思いがちなインタビュー記事というのも、実は、いろいろ「脚色」されたり、「削除」されたりしているのだなあ、ということがわかります。それ以前に、インタビュアーが同じことしか訊かなければ、同じような答えしか得られないわけですし。 吉田さんには、「元アイドル!」の中にも、単行本収録の際に「お蔵入り」になってしまったインタビューもあったりするのですが(南野陽子さんの回は凄かったらしいです)、僕としては、そういう「載せられなかった話」というのに、ものすごく興味があるんだけどなあ……
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