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2005年09月05日(月) ■ |
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「お化け役者」が消えてしまった理由 |
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「週刊アスキー特別編集・これが日本一のレポート漫画だ!!カオスだもんね!特別編」(水口幸広著)より。
(水口さんたちが、お化け屋敷用の人形を作成している「丸山工芸社」を取材したときに、代表取締役の柳誠さんから聞いたエピソード)
【真っ暗な中では、あの人形でもう十分イケテてるとは思うんですけど… 人間のお化け役者と絡めた日にゃ… もうメチャメチャ怖いっスよねえ〜〜〜
柳:ハハまあ、そうなんでしょうけどね…
しかし、ある事件がきっかけで、その後人を使ってはやってないらしい。
その事件とは?
あるデパートの屋上でお化け屋敷を開催した際、たまたまお化け役者の手が客に触れた。
その客は… 子どもだった。
泣き叫ぶ子供。 そして、こともあろうに、その母親が訴えた!!
柳:結局和解が成立するのに1年もかかりましてね…
な…なんと……】
〜〜〜〜〜〜〜
いやまあ、確かに、この子供にとっては、ものすごい「恐怖体験」だったのだとは思いますが、こんなことで訴えられて、しかも、その「和解」が成立するまでに、1年間もかかってしまうだなんて… 柳さんたちが、「お化け役者を使うのをやめた」というのも、わかりますよね。考えてみれば、この親子(子供のせいじゃないだろうけどさ)のために、「お化け役者文化」の一部は、確実に消滅してしまったわけです。 それにしても、無理矢理道端で「襲撃」されたのならともかく、自分からお化け屋敷に入っておいて、「怖い目に遭わされたから訴える!」なんていうのは、あまりに本末転倒で悶絶してしまいます。それも、「執拗に追い回した」という話ではなく「たまたま手が触れた」というレベルの話で、なのです。 親の反応としては、「このお化けも人間がやっているんだから、怖くないよ」と子供に言い聞かせるのが「普通」だと思うのですが、いろんな親というのがいるんですね。 こういう場合、もし機械仕掛けのお化けだったら、セーフなの?とか、いろいろ考えてしまいますけど。 アメリカの「マクドナルドのせいで太った訴訟」に対して、「訴訟社会って、バカバカしいよなあ」と感じた日本人は、僕も含めてたくさんいたと思うのですが、日本でもこんな「トンデモ訴訟」が起こされていて、しかも、1年も和解にかかっていたなんて… 誰でも、どんなことでも訴えられる社会というのはすばらしいのかもしれませんが、その一方で、訴えるほうにも「理性」が必要なのではないか、と考えさせられる話です。その1年の間、会社側は、さぞかし辛い思いをされたことでしょう。
お化け屋敷にときどき訪れる、「お化けよりも怖い生き物」の話。
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