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2005年07月08日(金)
哲学的な「キング・オブ・駄菓子」

「オトナファミ・第2号」(エンターブレイン)の記事「この夏、絶対ウマイ主義・うまい棒だョ!全員集合」より。

(1979年に発売以来、絶大な人気を誇る駄菓子、「うまい棒」に関するさまざまな話題から)

【1日の生産量は、140万本!
〜うまい棒の生産量は、なんと1日140万本にものぼる。土日は工場が休みだから、月産だと3500万本、単純計算すると、1年でおよそ4億2000万本! 日本人ひとり当たりの年間消費量は約4本ということになる。うまい棒が、キング・オブ駄菓子と呼ばれるゆえんである。

現存うまい棒の人気ランキング
1位:めんたい味
2位:コーンポタージュ味
3位:チーズ味
4位:サラミ味
5位:エビマヨネーズ味】

〜〜〜〜〜〜〜

 昔からあったような気がする「うまい棒」なのですが、実は僕より若かったのですね。それにしても、昔から10円という価格設定もすごいのですが(そういえば「ごえんがあるよ」なんていう「5円チョコ」もあったなあ)、年間4億2千万本も生産されているから、その価格設定でも採算が取れるという、まさに、「薄利多売」の典型例と言えそうです。
 しかしながら、実際に、僕の周りの人たちが、うまい棒を年間に4本も食べているようには思えないのですが、この「ひとり年間平均4本」というような膨大な数の「うまい棒」は、いったいどこで消費されているのでしょうか?毎日飽きずに食べているような人がいるのか、それとも、食べていないようで、意外とみんな少しずつ食べているのか。僕自身はこの一年間は1本も食べた記憶がないのですけど……

 ところで、「うまい棒」の人気ランキングの一方で、裏の歴史というか「廃盤うまい棒」もたくさん存在しているのです。この雑誌には「ピザ味」や「さきいか味」などの「絶滅うまい棒」が存在しているのですが、うまい棒のタイトルというのには、ちょっとひとひねりしたものが多いような記憶があります。
 「オムライス味」とか、「カニシューマイ味」なんていうのも、そういえば存在していたような記憶があるけれど、僕はこのパッケージを見て、「ケチャップ味」とか「カニ味」か「シューマイ味」にすればいいのに、ややこしいなあ…と思ったものでした。でも、実は「カニ味」というのもあって、「カニチャンコ味」もあるらしいし、「レッドロブスター味」というのも存在していたらしいのです。「うまい棒」の作者は、甲殻類好きなのだなあ、と感動してしまう話ですが、「甲殻類シリーズ」で実際に現存しているのは、「エビマヨネーズ味」だけだったりするんですよね。生産者の心、消費者知らず。でもまあ、「いか味」ではなくて「さきいか味」にしてしまうところが、なんとなく「うまい棒」の哲学のような気もしなくはありません。そして、そういう「あやしさ」が、子供心に訴えかけるのでしょう。

 駄菓子も極めれば哲学になる。「うまい棒」は、まさに「キング・オブ・駄菓子」にふさわしいのかもしれませんね。