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2005年04月28日(木)
赤字を出しやすい性質の人

「さおだけ屋は なぜ潰れないのか?〜身近な疑問からはじめる会計学」(山田真哉著・光文社新書)より。

【お金に対してこういったポリシーがない人は、高い買い物をする際に、「101万円も100万円もたいして変わらないから、お店の人の勧めるほうでいいや」と考えてしまう。
 家の購入や結婚式の費用などでどんどん出費が増えていくのは、こういう背景があるからだろう。お店の人も、「家の購入は人生の一大イベントですから」と勧めるので、なぜか「高くてもいいや」と思ってしまう。そんな人に限って、スーパーでの買い物で10円単位をケチったりするのだからおもしろい。
 こんなことをいうと、「毎日10円単位で節約することが大切なんだ。『チリも積もれば山となる』というだろう」というお叱りを頂戴しそうだ。
 しかし、毎日10円を節約しても1年間で3650円である。だったら、1年で一度1万円の節約をしたほうがはるかに効果的だ。
「普段はケチケチしてもいいけど、たまにはパッとしたい」という人もいるが、これはかなり危険な思想である。
 たとえば、毎日100円節約して、たまにパッと5万円を使った場合、次のようになる。

 100(円)×360(日)−5万(円)=マイナス1万3500円

 残念ながら赤字である。こういう人は非常に赤字を出しやすい性質なので、経営者には向いていない。要は、節約した気になっているだけで会計を見ていないのである。】

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 ほんと、こういう話は、あらためて言われてみればその通りなのですが、自分のこととなると、なかなか客観的には見ていないものなんですよね。僕も子供のころ、自分の父親が飲み屋で(たぶん)けっこうな額をばら撒いている一方で、デパートの食料品売り場に行くと、安い果物を探し当てて喜んでいたり、ディスカウントストアで型落ちの電気製品を「定価よりものすごく安い」という理由で買いこんできたりしているのには辟易していました。
 しかしながら、僕自身も大人になってみると、ギャンブルで浪費した上に、ゲーム屋に行ったら「このゲームがこんなに安いなんて!」とつい節約したつもりで買ってしまっているのです。実際は、そうやって安く買って得をしたはずのゲームは、全然パッケージも開けなかったりして、かえって損をしているのですけど。いくら安くても、飾っているだけではねえ。もちろん、コレクションの楽しみというのも、少しはあるのですが、「あのゲームをこんなに安く買った!」という満足感の一方で、結局は損をしているんですよね。
 そういう「赤字を出しやすい性質」というのは、遺伝性があるのかもしれません。
 一般的に「節約」というのは、安いものに対して気をつけることだと思われがちなのですが(テレビでよくやっている「裏ワザ」的なものなどは、そういうものが多いし)、実際は、高いものを買うときの「一生ものだから」とか、「100万円も103万円も変わらない」というような「お大尽気分での散財」とか「一点豪華主義」のほうが、はるかに大きく影響してしまうもののようです。とか言いながら、僕もパソコンのスペックとかには弱くて、今みたいにネットとメールに使うだけなら、CPUのスペックなんてほとんど影響はないにもかかわらず、ついつい「どうせ買うなら良いものを!」なんて気張ってしまったりもするのですよね。

 まあ、無駄遣いっていうのは、けっこう楽しいんですよね、僕にとっては。
 節約が好きな人は、結局、節約が楽しい人なんじゃないかなあ、というのは、あまりにも言い訳がましいですけど。