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2005年04月22日(金)
或る「男たちへの復讐」

共同通信の記事より。

【ケニア西部の国立モイ大学で、「上級生からエイズに感染させられた」と主張する匿名の自称女子大生が、「男への復讐(ふくしゅう)」として学内関係者と次々に関係を持ったと書いた手紙を学内に掲示、学生らがエイズ検査を求め、警察が捜査に乗り出す大騒ぎになっている。

 「法学部4年のN・P」と名乗るこの人物は、関係を持ったとする男子学生ら124人の名前も記し「6人しかコンドームを使わなかった」「謝罪する気はない」などと記載。大学側は「悪質ないたずら」と沈静化に躍起だが、関係者は共同通信の取材に「本当の話だろうと内部ではみている」と話している。】

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 事の真偽はわかりませんが、「学生らがエイズ検査を求めている」ということは、身に覚えがある男子学生が、少なくとも複数はいる、ということなのでしょうね。それにしても、「男子学生ら124人」とか「コンドームを使ったのは6人」だとか、かなり細かい数字が出ているのには、リアリティを感じてしまいます。正直、同じ大学内で120人以上だなんて、そういう女性のことは話題にならないわけがないでしょうし、ケニアというところはよっぽどそういうことにたいしておおらかな国なのか?とも感じましたけど。
 それにしても、120人なんて、風俗に勤めている人でもなければ、なかなかクリアできない数字だと思うのですが。

 僕は昔、こんな話を聞いたことがあります(ニュースソースを探してみたのですが見つからなかったので、事実がどうかは明言できませんが)。それは、【中世のヨーロッパで、ある女性がペストにかかっていたのを自分で知っていながら食品工場で働き続け、多数の感染者を出した。】というもので、僕はこれを読んで、自分がペストにかかったからといって、どうしてそれを他人にうつそうとするのか、理解できるような、できないような、複雑な気持ちになったことを思い出しました。

 この話だって、単純に考えれば、「HIVウイルスを自分に感染させた男」に対して、直接復讐すればいいような気もしなくはありません。もっとも、直接その男に肉体的苦痛を与えることで、彼女が救われるというものでもないでしょうが。
 でも、彼女が選んだのは、「男性全体への復讐」だったのです。
 ひとりの男への憎しみが、一般化してしまって、相手の(あるいは自分の)体のことに責任を持たずにすぐ寝てしまう、という「男性そのもの」への憎しみになってしまったのでしょうね…
 こういうことを124回も続けるというのは、それはそれで凄い意志の力だなあ、とか、妙な感心もしてしまうのだけど。

 もちろんこれは、許されることではありません。でも、その一方で、こういう思考の流れはわからなくもないだけに、怖くてせつない話だなあ、とも思うのです。彼女はたぶん、こういう「理不尽な復讐」をやらなければならないような、そんな追い詰められた精神状態だったのでしょうし。

 簡単なセックスっていうのが、必ずしも簡単な結果をもたらすとは限らない。それだけは、忘れないようにしたいものです。