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2005年04月16日(土)
下手のほうがいいんだ。

「壁を破る言葉」(岡本太郎著・岡本敏子構成・監修、イーストプレス)より。

【下手のほうがいいんだ。
 笑い出すほど不器用だったら、
 それはかえって楽しいじゃないか。】

〜〜〜〜〜〜〜

 この「壁を破る言葉」という本は、故・岡本太郎さんの生前の言葉を集めたものなのですが、読んでいて、確かに元気が出る本なのです。もちろんここに書かれているのは、岡本さんの人生観、あるいは芸術観ですから、誰にでもあてはまるものではないかもしれません。だって、手術をしようとしている外科医が「笑い出すほど不器用」という状況は、本人だって周囲だって「かえって楽しい」とは言い難いでしょうし。でも、何かをやろうとしているのに、なかなか最初の一歩が踏み出せないという人にとっては、そういう「壁」を破る力があるような気がします。
 例えば、何かを新しく勉強しようとするときとか、楽器を習うとき、文章を書くとき、最初からうまくいくなんてことは、ほとんどないですよね。
 でも、僕を含めて多くの人は「うまくできない」というのを理由にして、それ以上の努力を放棄してしまいがちです。
 だって、うまくいかないと、もどかしいし、何よりカッコ悪い。
 実際は、始めたばかりでうまくいくほうが稀なのだし、自分で思っているほど、周りの人たちは、自分がやっていることに興味を持っていないし、「下手だな」なんてバカにするような悪意も持っていないはずなのに。
 そういう「過剰な自意識」みたいなものが、新しいものに挑戦するための意欲を減退させていますし、そんな「できないと恥ずかしい」という先入観は、年齢とともに大きくなる一方のような気がしています。

 この言葉を読んで思ったのは、自分の下手さをも笑い飛ばしてしまうような、そんな発想の転換をしていけば、生きるというのは少しは楽しくなるのではないかな、ということでした。
 仕事の場ではそうはいかない場合も多いでしょうが、せめて日常や趣味の場では、こういうおおらかな心を持っていたいものです。