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2005年04月14日(木) ■ |
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もう「不買」すら快楽じゃない彼らへ |
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「いかん。あかん。よう言わん!!」(わかぎゑふ著・角川文庫)より。
(イラク戦争の際、実際に戦争が起こっているにもかかわらず、結局は何も行動に移せないという苛立ちを書いたあとの文章です。)
【そんな時に反戦デモを見たのだ。参加している若者が眩しく見えた。何も考えずにここに飛び込んで歩いたら納得できるのかもしれない。と心が動いた。 しかし、そう思ってふと彼らを見ると、アメリカ資本の大手ハンバーガーショップの袋を持っていた。 「あかんやん……この子ら」とまた凹んだ。彼らに悪気がないのは分かる。デモに参加したらお腹も空く、何も気づかず、持ってきたのだろう。 いったいどこからどうしたらいいのか?大人たちにも分からない国になってるのに、反戦デモに参加してる若者のハンバーガーを非難することなど誰にも出来ない。】
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この文章の前には、イラク戦争時のドイツでの出来事が書かれていて、ドイツでは戦争反対の人々がアメリカ製品の不買運動を行っていたそうです。そして、レストランでアメリカのビールを注文すると「御時世ですから」と断られていたのだとか。もちろん今は、そんなことはないのでしょうけど。 現在中国、あるいは韓国をはじめとする国々での反日感情の高まりを観ていると、僕も彼らの偏見に満ち溢れた姿勢にものすごく腹が立ちますし、いっそのこと、中国製品の不買運動を起こしたらどうだろうか?などと考えもするのです。あちら側の反日サイトで、日本製品の不買運動が呼びかけられているように。 でも、実際問題として、今の日本には「中国産の製品」は、ものすごくたくさん出回っていますから、本当に「不買」なんてことが可能なのかどうかは、ものすごく怪しいものです。一昔前は、日本以外のアジアの国の製品には「安かろう悪かろう」というイメージを持っていた人は少なくないと思うのですが(僕もその一人です)、最近では、「安い製品」だけではなく、ちょっとした海外のブランドものでも、中国製のものが非常に多いということに驚かされます。それこそ、ここは本当に日本なのか?と思うくらいに。 日本のメーカーでも、人件費の安い中国で生産をしているところは、本当にたくさんあるのです。 「中国に関わる製品の不買運動」を徹底的にやるのは、今の日本では現実的に不可能でしょう。「三國無双」なんてゲームまで対象になってしまうわけだし。 しかし、中国側からしても、この状況は同じなはずで、実際に反日感情の高まりで日本のメーカーが現地工場を閉鎖してしまったりすれば、多くの人が仕事を失ってしまうわけですし、「反日サイト」に一生懸命に書き込みをして、不買運動を訴えている人のパソコンの中には、日本のメーカー製のチップが組み込まれていたりもするはずです。
今の「世界」という枠組みでは、好き嫌いは別として、かかわりを断ち切ってやっていくなんて不可能なのに、他国を全否定して自分が優位に立とうとするのは、あまりにバカバカしいような気がします。好き嫌いは別として、ある程度は受け入れていかないと、生きていくためには制限が多くなりすぎます。 今の中国の状況を観ていると、こんなのでオリンピックとかできるのか?とは思いますけどねえ。選手たちはさぞかし不安なことでしょう。
まあ、結局は、仲の悪い兄弟みたいなもので、どんなにお互いの気が合わなくていがみあっていても、「なかったこと」にはできないんですよね…
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