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2005年02月24日(木) ■ |
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ディスプレイの向こう側の「わかってくれる人々」 |
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「週刊SPA!」2005年3月1日号の特集記事「『ITで出会う女たち 』の事情」より。
【「ネット上のあらゆるサービスが『出会い』の場となっている」と語るのはジャーナリストの今一生氏だ。氏によるとITツールが女性たちに『安心感』を与えているのだという。 「ブログやSNSなどは自己表出メディア。自分を晒さなければいけない。そんな晒け出した自分の書いたことに対して、誰かからコメントなどがついてくると、『この人はわかってくれている』『私を認めてくれている』と感じられ、親近感を覚えるんだろうね。あと、1対1という閉じられた世界の 『出会い系』とは違って、ブログやSNSには第三者的視点がある。つまり、誰かが紹介した、共通の知り合いがいるという、『担保』ね。これが安心感となって、恋やセックスが簡単にできるんだよ」 一方、女性心理に変化が出てきているというのは、衿野未矢氏だ。 「セックスレス、会話レスカップルが増えています。すると足りないものを他で埋め合わせしようとする。そういう気持ちがネットに向かわせているのではないでしょうか。自分に自信がなくても、ネット上なら話を聞いてもらえます。お礼にセックスでもしてあげる。ですから、『割り切ってやっている』『私は強い女だから大丈夫』とよく言いますが、それは思い込み。本当は人恋しいんです。寂しいけれど、私とエッチをしたがる人がいるということは、それだけ私は役立っている、何かを与えてあげていると思えるんです」】
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まあ、こういうようなメディアの「煽り記事」とか、社会学者のコメントというものは、基本的に割り引いて考えたほうが良いのでしょうし、現実はそんなに簡単なものではないのだろうけど、それにしても、ここに書かれていることは、僕のようなネット中毒者にとって耳の痛い話であるのは、間違いありません。 顔の見えないネット上の「危険な出会い系」については、今までさんざん語り尽くされてきたはずなのですけど、確かに、「mixi」をはじめとするソーシャルネットワークサービス(以下SNS)やブログのコメント欄やメッセージを介しての出会いについては、少しガードが甘くなってしまう傾向があるのは否めませんから。 SNSでは、「誰かが紹介したから入れた、特別な人」という思い込みがありますし、サイト管理人であれば、「自分のサイトのファンなのだから…」という「贔屓目」で相手を見てしまいがちだし。SNSは、今のところmixiが会員数30万人を突破しているそうで、この30万人というのは、「選ばれた人」にしては、あまりに数が多すぎると思うのですが。実際、ネット上である程度名前が売れている人に関しては、「あの人もいる!あっ、この人もいるのか…」という感じで、むしろ、「mixiにいない人を探すほうが難しい」というくらい。もちろん、そう簡単に見つかるわけでもないし、「友人のみ公開」などにしておけば、存在していても、ある程度クローズな空間を作ることができたとしても。 そして、「サイトのファン」=「自分をわかってくれる人」というのは、あまりにも短絡的でもあるのです。サイトの文章を書く場合には、それが多少なりとも偽善や露悪の色彩を帯びている場合がほとんどでしょうし、そこに書かれているのは、「自分から見た自分の一部」でしかありません。たとえば、ある小説家の作品を読んだとき、その作品がどんなに好みであっても、その作家が理想的な人物であるという保証はどこにもないわけです。逆にスティーブン・キングの「ミザリー」のように、「ファン」であるからといって、自分にとって望ましいリアクションを示してくれるとは限りませんし。だいたい、感動的な文章を書いている人間は、感動的な人生を送っているとは限らない。僕のようなたいしたことは書けない人間ですら、「こんなこと書いている時間があったら、勉強しろよ自分……」とか思うことも多いですしね。 こうして何かを書きたくなること自体、何かが「欠落」しているのです、たぶん。
「足りないものがネットで埋め合わされる」とか「ネット上には、自分のことをわかってくれている人がいる」という希望は、多くの場合幻想にしかすぎません。「自分の話を真面目にきいてくれる」のは、その現実と直接の関わりがなかったり、初めて聞く話だからで、あるいは、あなたとセックスしたいから聞いているふりをしているだけなのかもしれません。どうせ、どんな顔でその話を聞いているかなんて、ネット上ではわからないしね。 そもそも、ネットで出会った相手というのは、一度顔を合わせてしまえば普通の「友達」であり、「現実」なのです。「現実で埋められない寂しさ」というのは、やっぱり、現実に向き合うことでしか埋められない。ネットでは「自分のことをわかってくれていたはずの相手」は、実際につきあってみれば、あなたと会っていない間に、次の「獲物」を探しているかもしれません。
『割り切ってやっている』『私は強い女だから大丈夫』 ああ、なんて男にとっては、「都合のいい女たち」なのだろう!
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