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2004年11月28日(日)
堀内社長と清原部長の不毛な権力争い

共同通信の記事より。

【巨人への残留を示唆している清原和博内野手について、堀内恒夫監督は28日、報道陣から清原と会談する可能性を問われ、「予定が詰まっていて暇がない。そんな暇はないんだよ」と冷ややかな態度を見せた。
 堀内監督の起用法を清原が批判するような形となったことで、清原の去就に注目が集まっている。この問題について、滝鼻卓雄オーナーは26日に「しこりの残らない方法論をとりたい」と早期収拾を図る意向を示していたが、堀内監督は「オーナーの発言は聞いていない」と話した。】

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 僕は巨人ファン・清原ファンではないのですが、この件に関しては、世間では「冷遇されている」清原選手に同情的な意見が多いみたいですね。「たかが選手」なんていった某オーナーのこともありますし、「選手の権利を守れ」という一連の動きもありますし。
 でも、正直今の清原選手というのは、堀内監督、あるいは巨人というチームにとって「獅子身中の虫」であることは間違いないでしょう。球界きっての人気選手であることはまちがいないけれど、最近は怪我で試合に出られないことも多く、このようにマスコミを使って自分の意見を主張されては、堀内監督としては「面白くない」し、「指揮官としての沽券にかかわる」はずで。
 これが野球チームでなくて一般の企業であれば、高額の給料をもらっていて、上司と折り合いが悪く、自分の派閥をつくってワガママを通そうとする、という社員がいれば、まず粛清の対象になるに決まっています。まあ、簡単にそうできないのが、「人気商売」の難しさなんでしょうけれど。
 こういう影響力のある選手というのは、監督としては使いにくいはずですし、正直「やりにくい」のでしょう。それにしても、この堀内監督も「了見の狭い人」であることは間違いなくて、どちらにしてもあと1年契約が残っているのだから、わざわざ「公然と無視」してみせなくても、表面上は笑顔を作って握手して、試合で使えないようなら2軍で干してしまえばいいんじゃないかと思うのですが。「そんな暇はないんだよ」なんてマスコミ経由で間接的に戦うよりは、直接会って「チームのためにがんばってくれ!」とか言っておけば、それが建前だとわかっていても、誰も何も言えないはずなのに。「時間が無い」って言うけれど、話なんて1時間もあれば済むのだし、この二人、どんなに話し合っても心から理解しあえるわけもないからこそ、「形式」というのは大事なのです。

 それにしても、こういうふうにお互いのプライドを守るために意地を張り合えば張り合うほど、もう後には引けなくなっていくものなんですよね。この二人は、まさにその典型例で。立場から考えれば、堀内監督のほうが、もう少しズルくなればいいんでしょうけど。来期結果を出さなければ自分のクビが危ない、という切実な事情があるにせよ。
 でも、大人になったり、偉くなったりすれば、この手の「上司と部下の仲違い」というのは、けっこうよく見かけるものなのです。結局はどっちもどっちで、振り回される周りの人たちとしては、両者への信頼とモチベーションが、どんどん低下していくだけ、なんですけどねえ。