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2004年11月16日(火)
でも、「恋愛下手」ですね。

日刊スポーツの記事より。

【故田宮二郎さんの長男で俳優の柴田光太郎(38)が15日、紀宮さまとの婚約が内定した東京都職員の黒田慶樹(よしき)さん(39)を祝福した。柴田と黒田さんは、学習院初等科から大学までをともに過ごした30年来の友人。「クロちゃん」「しばちん」と呼び合う仲で、高等科時代は同じ写真部に所属。大学時代のゴルフサークルでも一緒だったという。婚約について「全く知らなかったので驚いたが、自分のことのようにうれしい」と語った。
 柴田は黒田さんについて「誠実で信頼できて、清潔感のある人。でも恋愛下手ですね」と話した。10年ほど前、一部週刊誌が、紀宮さまのお相手候補として黒田さんの名を挙げた。仲間内で「クロちゃんどうなのよ? 」と冷やかすと、黒田さんは「そんな話か、ハハハ」と笑うだけだったという。
 これまで独身だったことについて柴田は「僕もそうだが、クロちゃんも父親を亡くしていて『母親を大切にしたい』と常々、言っていました。その辺を気遣っていたのではないかな」。さらに「紀宮さまの和やかさと、クロちゃんの女性を包み込む雰囲気はぴったり合う。お似合いだと思います」と話した。】

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 紀宮さま、黒田さん、とりあえずおめでとうございます。まあ、「婚約の内定」なんていうのは、「予約の予約」みたいでなんだかなあ、とも思いますけど。
 実は、僕がこの記事を読んで気になったところというのはお二人のことというよりは、この「恋愛下手」という言葉なのです。日常用語としては、「あいつはオクテだからなあ」とか「手が早いからなあ」という表現は使いますし、「人付き合いが下手」なんて言ったりもしますが、考えてみると「恋愛下手」っていうのは、慣用句のようで実際には使われない言葉です。「じゃあ、恋愛上手っていうのは何なんだ?」とか聞いてみたくもなるし。

 まあ、「恋愛上手」=「モテる」、「恋愛下手」=モテない、という意味であるならば、それはそれで理解できなくもないのですが、じゃあ、モテるからといって、いろんな相手をとっかえひっかえして落ち着かないような恋愛が「上手」かというと、ちょっと違うような気もしますし、たとえひとりの異性にしか愛されなくても、お互いにその安定した関係に満足できていれば、「下手」とも一概に言えないでしょう。
 恋愛経験が多ければ多いほど幸せになれるっていうものでもないだろうし、モテる人が異性関係で破滅する姿というのは、けっして珍しいものではありません。
 そもそも「すばらしいテクニックで異性を振り向かせることができる」というのは、「口説き上手」であって、「恋愛上手」とは違いそうだし。
 おそらく、柴田さんの「恋愛下手」という言葉は、同性としての「アイツはいいヤツなんだけど、女の子に対しては積極的になれないんだよねえ」というニュアンスなんだと思いますし、悪意はないんでしょうけど。
 
 たぶん、恋愛には「上手」も「下手」もないんですよね。「上手」にやろうとするあまり、失ってはならないものを失うことだってあります。「恋愛経験」だけが価値基準として語られがちですが、本当は、「自分がこの人、と思った相手にしかなびかない」というほうが、「誰彼構わずだけど、経験だけは豊富」というよりも、「恋愛上手」なのかもしれませんしね。

 とはいえ、そういう漠然とした「異性にモテまくりの恋愛上手」な生き方に、僕だって憧れてもみるのです。結局は「マメさ」なのかなあ、なんて考えるのだけど、実践するのはやっぱり難しい。