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2004年09月19日(日)
「孫の代まで残したい言葉」

共同通信の記事より。

【出版社「宣伝会議」(東京)が20日の敬老の日を前に、60−90歳の男女300人を対象に「孫の代まで残したい言葉」をアンケートしたところ「いただきます」がトップになった。
 2位は、季節感が豊かだった時代へのノスタルジーからか「暑さ寒さも彼岸まで」。3位の「覆水盆に返らず」では、「どんなことをしても簡単に解決すると思っている若者が多い」と意見を付けた人もいて、現代の若者に対する不満もにじんだ。
 「残したい昔からの教え」としては「親しき中にも礼儀あり」がトップ。「苦労は買ってでもしろ」が3位、「芸は身を助く」が4位と、若者に生き方をアドバイスするようなことわざが上位に入った。2位は「遠くの親せきより近くの他人」だった。】

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 このアンケート結果を読んで思うことは、大先輩たちは、今の若者たちは「親しさに甘えて、守るべき最低限の礼儀を知らず」「苦労知らずで」「近所づきあいが悪くて」「苦労して手に職をつけるということをしない」と考えているのだな、ということです。まあ、言われてみればその通り、としか言いようがないんですけど。
 こういう話を聞くたびに、「そういえば、古代の遺跡に残されていた文書にも『最近の若いものは…』なんて年寄りの言葉が刻まれていたらしいなあ」なんていう、「永遠の世代間の断絶」というのを考えてみたりもするのですが、僕も30代になって考えると、自分の親が口を酸っぱくして言っていたお説教というのは、やっぱりバカにはできないなあ、という気がしています。車の運転で「危ない!と思ったときは、ブレーキに頼らずに、まずハンドルでよけることを考えろ」とか、「財産は遺せないが、勉強だけはさせてやる」とか。そのほか、「わかりきった説教だな…」と無視してしまっていたつもりのことが、この年になって妙に思い出されてならないのです。
 こんなはずでは、なかったんだけどねえ。

 しかし、これらの言葉が時代を超えて活きつづけてきたのは、要するに、「人間というのは、何百年・何千年という期間では、根本的に変わりはしないものだ」ということなのかもしれません。
 「覆水盆に帰らず」というのは、古代中国の賢人・太公望呂尚が、貧乏生活が嫌になって自分の下を去っていたのに、出世したあとに復縁を求めてきた妻に答えた言葉に由来したものと言われていますし。
 
 僕の個人的な意見としては、「しなくていい苦労なら買ってまでする必要はない」、もしくは、「他人に『苦労しろ』なんていうのはお門違い」だし、「遠くても近くでも、他人でも身内でも、アテになるものはなるし、ならないものはならない」のですけどね。