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2004年09月05日(日)
「みんな遠くにいっちゃうと思うみたい。」

日刊スポーツの記事より。

【新人アーティストUtadaが始動した。今回のラジオ出演は、日米両国で行う大掛かりなプロモーションの一環。アルバム「EXODUS(エキソドス)」は今月8日に日本で先行発売され、10月5日に全米で発売される。
 パンダのイラスト入りのTシャツにジーンズというカジュアルな格好で登場。「(ガラス越しに見られるので)動物園のパンダの気分だなと思って」と笑顔でファンに手を振った。DJに「あさって(6日)が結婚記念日ですよね」と突っ込まれると「あっ、ありがとうございます」としきりに照れて慌てて水に手を伸ばしていた。
 レコード会社との契約発表から2年半、制作には1年が費やされた。「やっとできたなという感じ。ほとんど毎日、ニューヨークのスタジオにいました。自分でこんなにできるんだと思いました」と語るこん身の1枚がついに完成した。
 全米デビューについては「結婚したときもそうだったけど、みんな遠くにいっちゃうと思うみたい。でもそんなこと言われると、私が寂しいよ。日本に来ないの?  そんなわけないでしょ」と日本ファンにメッセージを送った。「これからもたくさん日本語での歌も英語での歌もやっていくのでよろしく」とあいさつして、スタジオを後にした。】

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 僕は土曜日に車の中でこのFMの番組を聴いていたのですが、宇多田さんももう21歳なのか(おまけに結婚もされてますしね)と時間の流れの速さを痛感しました。
 はじめて彼女のプロモーションビデオを観たときに、「歌はすごくうまいしいい曲だけど、垢抜けてないしあんまり売る気なさそうなプロモーションビデオだなあ」なんて思ったのは、僕にとっては昨日とまでは言わなくても、ついこの間のようなイメージなのですが。
 ところで、この宇多田さんのコメントで僕が興味深いなあ、と感じたのは、【結婚したときもそうだったけど、みんな遠くにいっちゃうと思うみたい。でもそんなこと言われると、私が寂しいよ。】というところでした。僕が子供の頃ほど、アイドル(宇多田さんは「アイドル」ではないけれど、「カリスマ」ではありますから)と本気で結婚したいというファンは多くないでしょうし、同じ日本に住んでいても実際に接する機会なんてテレビやラジオの中か運良くチケットが手に入ったコンサート会場くらいしかないのに、それでも、「結婚した」ということに対して、「自分との距離が開いた」と感じる人がけっこういるものなのですね。
 確かに、「職場のちょっといいなあと思っている異性」くらいであれば、「結婚すると遠くに行ってしまう感じ」というのもわかる気はするのですけど。
 そういえば、結婚した同僚が、こんなことを言っていました。
 「結婚して何が寂しいって、前はみんなよく飲み会に誘ってくれたのに、結婚してからは、みんな声をかけてくれなくなったことだなあ。まあ、嫁さんが待ってるから実際には行けないことが多いんだけど、それでも、声だけでもかけてほしいなあ、って思うよ」
 誘う側だって、「結婚したばっかりだから」と遠慮しているわけで、お互いに悪気があるわけでもないのに気配りから距離というのは開いていくわけです。「何日か前から言っておいてくれれば、一緒に行けるのになあ」というような状況であっても、そういうタイミングって、突発的なことも多いですしね。
 宇多田さんにとって、結婚生活はけっして悪くないものでしょうけど、まだ21歳のひとりの女性としては、一抹の寂しさなんてのもあるのだろうな、と僕は感じると同時に、それを素直に【私が寂しいよ】言えてしまうこの人は、タダモノではないなあ、という印象が残りました。

 まあ、何かを得るためには何かを捨てなければならないこともありますし、僕はそこに「誰かの願いが叶うころ」という彼女の歌を重ね合わせてみたりもするのです。