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2004年08月29日(日)
スポーツ選手にとって、「結婚は力になる」のか?

時事通信の記事より。

【アテネ五輪では日本の女子選手の健闘が目立ったが、その中で既婚選手も金メダルを獲得したり、初勝利を挙げたりと大いに活躍した。
 「結婚が力になる」と話していた柔道48キロ級の谷亮子選手(28)は2大会連続で優勝し、日本の女子で初めて2個目の金メダルを手にした。五輪の野球に出場した夫の佳知さん(31)と夫婦そろって金を目指したが、野球は銅に終わった。
 アテネ五輪の全競技のトップを切って11日に行われた女子サッカー予選リーグのスウェーデン戦では、宮本ともみ選手(25)が中盤で攻守に活躍。日本女子として初の五輪勝利に貢献した。
 楠田香穂里選手(30)は女子バスケット代表では初の既婚者。予選リーグで敗退したが、最後の試合となった強豪、中国との試合では敗れたものの司令塔として走り回り、チーム最多の13点を挙げた。
 女子バレーボールの成田郁久美選手(28)は守備専門のリベロとして活躍。大きな声で若い選手を盛り上げ、準々決勝まで進んだ。
 トライアスロンの関根明子選手(28)は「シドニー(五輪)では力み過ぎたが、今回は平常心で臨めた」といい12位に。14位だった庭田清美選手(33)は「できる限りのレースをした」と満足げに話した。
 夫と二人三脚で練習してきた陸上1万メートルの弘山晴美選手(35)は3大会連続の五輪出場。シドニー五輪は1万メートル決勝で最下位だったが、今回の決勝は出場31人中、18位でゴール。「満足しています」と笑顔を見せた。】

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 「ミセス選手が活躍・結婚が力に?」というタイトルでYahooに取り上げられていた記事なのですがこちらの日本のメダリスト一覧を見ると、活躍している選手に比較的20代前半までの選手が多いこともあって、「結婚は女子選手にとって力になる」という結論は、なかなか出しにくいところです。
 谷亮子選手が優勝したときの、夫のほうの谷選手の「足、大丈夫?」には、僕も「やっぱり夫婦なんだなあ」とホロリとしてしまいましたが、精神的な繋がりはあるにせよ、彼らは実際には多くの時間は別居してそれぞれの競技生活を送っているのですから、「結婚生活」と「選手生活」の両立というのは、なかなか難しいものなんでしょうね。
 その他の「結婚して活躍している選手」も、多くは夫がコーチでサポートしている、なんてことが多いみたいですし。

 以前、スポーツ選手は男子禁制!(男の場合でも禁欲!)なんて噂を聞いたことがあるのですが、確かに、競技に集中するにはそういうのは「邪念」になってしまうのかもしれません。
 
 ただ、そういう「結婚」「恋愛」に限らず、オリンピックに出場して、そこで結果を出す、というのは、やっぱり「異常な世界」なんですよね。
 あの、男子ハンマー投げのハヌシュ選手のドーピング疑惑に対して、僕は「そんなリスクを侵してまで、記録を伸ばしても仕方ないんじゃない?バレたら、今回みたいにかえって本人にとってマイナスにしかならないんだから…」と考えてしまいます。
 でも、本人は、「ドーピングをやっても、1センチでも、1ミリでも記録を伸ばしたい、金メダルが欲しい」という精神状態に追い込まれてしまっているんですよね、きっと。実際に違法な薬を使わなくても、用具の改良などによって、記録を伸ばすための「本人の能力以外のところでの戦い」というのは続いているわけだから。

 僕は「結婚」というのは、現役のスポーツ選手にとっては、必ずしもプラスになるものではないだろうな、と思っています。「普通の人」と同じく、「結婚がプラスになる面」と「プラスにならない面」の2つの要素が存在しているのでしょうが、どちらかというと、制約のほうが大きいのではないか、あるいは「夫婦平等な生活」なんていうのは、難しいだろうな、と。
 もちろん、「平等」=「幸福」とは限りませんが。
 普通に生きて、特別な結果を残せるほど、甘いものではないはず。

 でもね、やっぱりみんな「自分と同じところ」を見つけたいのだろうし、そういう面を強調したいんだよね、きっと。テレビを観てたらつくづくそう思います。
 同じ日本人のメダリストよりも、ギリシャの普通のオジサンのほうが、生き方としては、よっぽど僕に近い「人種」なのかもしれないのに。