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2004年08月27日(金) ■ |
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「伝説のロッカー」が、教えてくれたこと。 |
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「シティ情報ふくおか・No.625」(プランニング秀巧社)の「ザ・ハイロウズ」のボーカル、甲本ヒロトさんへのインタビュー記事より。
(ザ・フーの初来日公演の話題になって)
【僕はピート(ザ・フーのギタリスト)を何十年か前ね、生で観たことがあるんだよ。最後に『無法の世界』をやった時に、腕がちぎれるぐらい回してたんだ。本当にそこには自分の中から沸き上がる衝動が爆裂してて、”かっこいいでしょう!”なんか微塵もなかった。そしたら失敗して、ギターに手が当たって、ジャーって血が出たの。翌日の新聞を見たら、骨が見えてたんだ。でもその時は、また立ち上がってぶんぶんやり続けたの。僕はその日のフーを観てさ、かっこつけることは恥ずかしいことなんだって思った。”こんちきしょー!”って全身全霊をこめてやるもんなんだってさ。その時のことを、ピートは5年くらい後に雑誌で答えたの。その内容がヤバいんだ、俺にとっては。痛かったって言うんだ。けど「たかがイテーぐらいで止めれるかよ。今立ってる場所は自分で選んで立ってる。ボクサーが痛いってリング降りる奴がいるかよ」って。今回もきっとそれを見せてくれるよ。】
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ボブ・サップさんに聞かせたいなあ、なんていうのはさておき。 僕は「ザ・フー」というバンドには全然興味がなく、初来日が話題になっていたときも「ふーん」という感じだったのですが、この甲本さんが語ってくれたエピソードにはビックリしました。 「ジャーって血が出て」しかも、「骨まで見えていた」っていうんですから、ピートさんはそのとき、ステージの上で激烈な痛みに襲われていたはずです。ヘタしたら命にかかわるかもしれない状況なのに、彼はステージをまっとうしたわけです。 こういうエピソードに類するものは、ステージに立つ人にはけっこうあるみたいで、「骨折しながらも続きを演じた」とか「病をおして舞台に立った」なんていう話は、そんなに珍しくはないですよね。 それでも、このピートさんの5年後のコメントが、僕はなんだか大好きなのです。 【たかがイテーぐらいで止めれるかよ。今立ってる場所は自分で選んで立ってる。ボクサーが痛いってリング降りる奴がいるかよ】 考えてみれば、バカですよね、この人。ボクサーがそうだからって、別にミュージシャンが痛みに耐えなければならない、なんてことはないはずです。それは、「守備範囲外」のことのはずなのに。 でも、「やりたいことをやるには、痛みが伴うことだってあるんだ」という、ピートさんの「覚悟」というのは、日頃から「忙しくて自分の時間がない」とか「人間関係に疲れた」とか「仕事の成果が出ない」とかいうようなことで「もう辞めたいな…」と、ついつい考えてしまう僕にとっては、なんだかとても勇気づけられるような気がするんですよね。 「そうだよな、なんのかんの言ったって、僕だって『自分で選んだこと』をやっているはずなのだから、多少辛いことやイヤなことがあったくらいで、リングを降りちゃダメだよね」って。 ピートさん、あなたは真のロッカーです!
※危険なので、善男善女のみなさんは、マネしないようにしましょう。 あくまでも「心意気の問題」だからね。
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