|
|
2004年07月30日(金) ■ |
|
「真実を伝えないテレビ局」と「空気が読めない女」 |
|
夕刊フジの記事より。
【TBS、また勇み足? TBSがニュース番組で、代理母出産で双子の男児の母親になったタレント、向井亜紀さん(39)の講演を取り上げた際、「生みの親」を批判する印象を抱かせるように報道していたことが30日、分かった。向井さんは自身のホームページ(HP)で猛抗議したうえ、HPを閉鎖して“断筆宣言”。一部の発言の前後をカットして流したために誤解を招いたようだが、石原慎太郎発言に続き、またしてもTBSのVTRをめぐる泥沼の大紛争が勃発(ぼっぱつ)した。
問題のニュースは26日午前零時半(日曜深夜)からの「JNNニュース」。25日の向井さんの講演を取り上げ、「生みの親より育ての親。分娩(ぶんべん)しただけの人が親といえるでしょうか」という発言を放送した。
この向井発言に、視聴者の一部が猛反発。「『分娩しただけでは、母とはいえない』とは、何てひどい言い方をするんだ」など、多くの抗議が寄せられたという。
実際の講演では、向井さんが目にした虐待を受けた女の子のエピソードを紹介した上で発言していた。「あの言葉の前には、“虐待の現状を垣間見て”という限定の言葉があり、あの言葉の後には、“その子へ愛情を注ぎ、幸せにしてあげたいという意思がなければならないと思いました”という、述語がつながっていたのです」(HPより)。 つまり、発言の前後がカットされたため、発言が“独り歩き”してしまったというのだ。 向井さんは、「前後の脈略をまったく無視した編集の仕方」(同)と批判を展開。さらに、これを機に今月いっぱいでHPを閉鎖することを宣言した。 向井さんが所属する高田道場は「HPがすべてです」とコメント。裁判沙汰にするかは「わからない」と話しており、今後が注目される。
一方、昨年11月の「サンデーモーニング」で石原慎太郎都知事の発言を正反対の発言として誤報し、今年2月に慎太郎知事から名誉棄損で警視庁に刑事告訴されたばかりのTBSは、「『サンデー』の件は聞き取りミスが原因で、今回と同じにされては困る」(広報部)とご立腹。
ただ、「発言の趣旨を正確にお伝えできなかったことがあるとすれば本意ではないので、誤解がある部分は解き、謝るべきところは謝りたいと考えている」(同)とコメントしている。】
〜〜〜〜〜〜〜
これは酷いですねさすがに。代理母出産をされた向井さんだけに、【生みの親より育ての親。分娩(ぶんべん)しただけの人が親といえるでしょうか】という発言が、いっそう波紋を呼ぶのも間違いないことで。 この記事の内容が事実なら、TBSの報道というは、本当に「どうしようもない」としか言いようがありません。 「お前たちはバカじゃない!」という発言だって、「お前たちはバカ」のところで切ってしまえば、正反対の意味になるのに。 おそらく、この人たちは、視聴者にインパクトを与えるために、故意に発言の「編集」をしたのでしょう。
これにしても、世の中というのは怖いもので、この向井さんの発言のように「作為」が加えられていない場合でも、他人の発言を自分で勝手に解釈して非難する人というのは、けっこう多いような気がします。 表現がわかりづらいとか、言葉が難解だというような、発信側に問題がある場合はさておき、「前後の文章を読めば、そんな意味じゃないことはわかるだろうに…」というようなものに対して、自分で勝手に解釈して、その発信側の意図とは異なる内容について批判してくる人というのは、けっして珍しい存在ではないのです。 「人の話に聞く耳を持たない人」って、かなりいるのです。 発信側は、自分が言ってもいないことに対して非難されても、「そんなつもりで書いたんじゃない」としか言いようがない。そうすると、「反論もできないのか!」「お前が言ったんだろ!」ということで大威張り。ほんと、批判するだけの人はラクでいいですよね。 この件に対しては、向井さんに心より御同情申しあげます。
しかし、僕はこんなことも考えるのです。 このTBSの人たちは、たぶん、向井さんにだけこういうことをやっていたわけではないだろうな、って。 石原都知事や向井亜紀さんは、「反論する手段」を持っている人たちです。でも、反論する手段を持たない人々は、このメディアの横暴に対して、おそらく泣き寝入りを余儀なくされてきたのでしょう。 松本サリン事件で犯人扱いされた河野義行さんなどは、翌年にオウムの地下鉄サリン事件まで、ずっと犯人扱いされていたわけですから。 そして、河野さんには、石原さんや向井さんのような反論の手段は無かったのです。抗議しても、最初は誰も相手にしてくれなかったのだから。 向井さんは、まだ「マシな被害者」だったのかもしれません。
僕は、向井さんが苦手です。それは、向井さんが、さんざんメディアの力を利用して示威行動していながら、自分の意に染まないメディアに対して、強い否定を繰り返してきたからです。 「そりゃあね、あなたも大変なんでしょうけど…」と僕も思いますし、代理母出産の是非については、今のところ判断しかねます。 でもさ、荒らしも辛いだろうけど「断筆」とか言って、代わりにドキュメンタリー番組や本で主張できる人はいいですよね、ほんとに。 そのほうが、お金にもなりますし。
|
|