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2004年05月16日(日)
味よりもイメージを食べていることだってある。

共同通信の記事より。

【軟らかく低カロリーで、欧米では高級食材のシカ肉。北海道阿寒町議の曽我部元親さん(37)らが、北海道のエゾシカ肉を普及させようと釧路全日空ホテルとエゾシカバーガーを開発、販路拡大を目指している。
 エスニック風など3種類のバーガーは「癖がなく食べやすい」と好評で、同ホテルはレストランメニューに検討中。8月には、阿寒湖畔のホテルなどで試験販売する。
 北海道東部だけで推定16万頭いるエゾシカは、愛くるしい姿で観光客に人気。しかし木の皮を食べたり、農作物を荒らしたりする被害は年間約30億円に上り、北海道は年に約3万頭を駆除している。その肉を有効利用しようと曽我部さんらが企画した。
 解体処理施設や衛生基準の不備などで、シカ肉の安定流通への道のりは遠い。曽我部さんは「あと10年かかっても、家庭の食卓にシカ肉が並ぶようにしたい。子どもたちが喜ぶバーガーがその第一歩になれば」と話す。】

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 僕はシカ肉を食べたことはない(と思う)のですが、確かにヨーロッパのほうでは高級食材みたいです。そして、「軟らかく低カロリー」なら言うことなし、という感じなのですが。
 でも、その一方で、「シカの肉」というのは、果たして僕にとっては「食べたくなる食材」かと問われたら、正直なところ「うーん」と考え込んでしまうものでもあるんですよね。シカといえば、中学校の修学旅行で行った奈良のシカの姿を思い浮かべてしまいますし、だいいち食べ慣れていませんから。
 もともと、食べものに関しては、保守的なんですよね。

 「バーガーの肉」といえば、僕が中学校の頃ですから、もう20年近く前になりますが「マクドナルドのハンバーガーは、ミミズの肉でできている」という都市伝説が蔓延した時代がありました。「店の厨房でミミズを見た!」という事情通の証言や「生のミミズが残っていた!」なんていう目撃証言まで流通していたのですが、考えてみれば「ミミズ」なんて特殊な素材を使うとなると、牛肉よりむしろコストがかかるでしょうし、非現実的な話ではあるんですけど。
 ただ、考えてみると、マクドナルドのハンバーガーが「ミミズの味がする」というのが問題ではなくて、「味は同じでも、材料が牛肉ではなくて、ミミズ肉だと気持ち悪い」というのは、不思議な感情なのかもしれません。毒でもないかぎり、同じ味のものであれば材料がなんであれ、美味しいものは美味しいし、美味しくないものは美味しくないはずなのに。
 それでもやっぱり、たとえ同じ味だったとしても「材料がミミズ」だと思ってしまうと食べられなくなるものなんですよね、きっと。なにしろ、ミミズの味なんてわからないし。
 逆に「日頃口にしている肉だ」と思い込んでいれば、人間の肉だって「美味しい!」とか言いながら食べてしまう可能性だってあるのです。いや、そういう想像をするだけで気持ち悪くなりますが。
 
 シカ肉、という食材は、今のところ「ボーダーライン」くらいなんですよね、正直なところ。僕はわざわざ「シカバーガー」を選ばないだろうなあ、と思います。「癖が無くて食べやすい」というのは「美味しい」というのとは、ややニュアンスが異なるような気がするし。
 とはいえ、年間3万頭も「駆除」されているという現状だと、確かに「食べたほうが後生だ」と言えなくもないよなあ。子供に「シカバーガー」というのが受け入れ易い食べ物かどうかはともかくとして。