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2004年05月17日(月)
「人形の秀月」のふしぎ

共同通信の記事より。

【「人形の秀月」としてテレビCMで有名な秀月人形チェーン(東京都台東区、資本金5000万円)と関連会社1社は17日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。民間調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は2社合計で37億円。少子化の影響で、主力商品の節句人形の販売が低迷したのが原因。
 同地裁は加茂善仁弁護士を監督委員に選任した。秀月人形チェーンは1994年、バブル期の不動産投資で過剰債務に陥った旧秀月人形チェーン(1930年創業、現三京総本社)の販売部門が分離され、設立された。
 97年6月期には、売上高が145億円に上っていたが、少子化に加え、デフレ下で高額の人形の販売が振るわず、2003年6月期の売上高は、70億円にまで半減していた。】

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 僕は子供の頃から、ものすごく疑問だったのです。
 たまに旧い商店街などを歩いていると、全然お客さんの気配がないような店って、けっこうありますよね。それも、昔からあるような。
 ああいう店って、どうやって生計を立てているんだろう、って思ったことはありませんか?
 いろいろな話を聞くにつれ、そんなに贅沢をしなければ、ご近所への配達とか常連さんとかで、なんとかやっていけないこともないようではあるのです。ある程度歴史がある店で、固定客がいたり借金が無かったりする場合、もしくはお年を召された店主の半分道楽のような店なら、ということなのですが。
 実際、通学路のお客さんの姿を見たことがない店とかでも、結局、中学入学から卒業までずっと営業してはいたりもするのですから、小さな商店なんていうのは、そんなにお客さんが多くなくてもやっていけるか、もしくは、僕がその店に関心を示した時間は、その店に営業時間にとってのごくごく一部だった、ということなのでしょう。

 ところで、当時のいちばんの疑問は「仏具店」と「人形店」というのは、本当にやっていけるのだろうか?ということでした。
 この両者は、けっこう立派な店構えをしている割には駐車場が満車なのを見たこともないですし、店内にお客さんがいれば「あっ、人がいる!」とちょっと注目してしまうくらいです。
 デパートの「ひな祭りフェア」とか「五月人形フェア」の際には比較的大きなスペースが割かれていますが、それにしても季節モノの商品ではあるし、なんといっても最近は「節句のお人形」というのがそんなに売れるとも思えませんし。
 考えてみたら、今年の端午の節句(子供の日)だって、鯉のぼりをほとんど見なかったような気がするのです。高速道路から見た一匹、とか。
 僕が住んでいる田舎でさえそうなのですから、都会ではもう、惨憺たるものではないかなあ、と。

 このニュースで、「やっぱり苦しかったんだなあ」ということをあらためて実感しました。大事な日本の文化でもありますし、残ってもらいたいけれど、やっぱり時代に合わないのでしょう。親は人形をあげたくても、子供は「プレステ2のほうがいい!」というのが本音かもしれないし。
 むしろ、今までよく頑張ってきたなあ、と考えるべきなのかも。

 それでも、まだ70億円も売れてるのか!とちょっとビックリしたのですが、プレステ2の「ドラゴンクエスト5」は、定価7800円で100万本出荷されてますからねえ…