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2004年01月29日(木)
「カッコいい女性」を演じるために、いちばん大変だったこと。

映画「シカゴ」の脚本の文庫版より。

【心が浮き立つ体験は、同時に厳しい試練でもあった。学校か新兵訓練所のように、毎週毎週、猛練習が繰り返されたのだから。何が一番大変だったかという質問に、ゼルウィガーはこう答えている。
「胸を張って、階段の上から高いハイヒールで下りていくことよ。たまんないわ。見掛けよりずっと難しいのよ」】

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 昨年のアカデミー作品賞を受賞した「シカゴ」(ロブ・マーシャル監督)ですが、この映画のメインキャストである3人(レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼダ・ジョーンズ、リチャード・ギア)のうち、主人公ロキシーを演じたレニー・ゼルウィガーは、他の2人に比べて舞台経験が乏しかったため、撮影には苦労が多かったようです。
 それでも、ハードなトレーニングで、映画の中では素晴らしい演技を見せているのですが。
 これは、レニー・ゼルウィガーの述懐なのですが、僕は、これを読んで「もっと大変なこともあっただろうに、そんな普通のこと?」と思ってしまいました。
 ダンスとかのほうが難しかったんじゃないの?なんて。

 しかし、考えてみれば、神社などで手すりが無い、急な階段を降りるというのは、けっこう怖いものです。どうしても足元が気になりますよね。それに、僕はハイヒールは履いたことがありませんが、あの構造上どう考えても前のめりになりそうな体勢だと、下りの階段を降りるのは、かなり怖いのではないでしょうか。
 ミュージカル・スターの役ですから、当然、客席に笑顔をふりまきながら、颯爽と降りないといけないでしょうし。
 「怖い」というイメージは、なかなか払拭できないものだと思うのです。ダンスなどは、練習で上達していく余地があるとしても。

 そういうふうに考えると、街で自然にハイヒールで歩いている女性たちは、かなりのトレーニングを積んでいる、ということなんですよね。必ずしも愛想をふりまいていなくてもいいとしても、坂道もあれば、いろんな障害物だってあるでしょうし。

 自然に、かつカッコよく魅せる、というのは、周りからのイメージ以上に本人にとっては大変なことなんでしょうね、きっと。こういうのは、履いたことが無い人間には、わからない世界だなあ、とあらためて感じました。
 とはいえ、「ハイヒールなんて履いて、頑張ってるねえ」なんて同情されても嬉しくないだろうけど。