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2004年01月12日(月)
行き過ぎた注射訓練?

読売新聞の記事より。

【茨城県ひたちなか市消防本部の救急救命士9人が、医師の指導を受けずに、互いの腕に注射する訓練を繰り返していたことが12日、分かった。
 同本部は「薬液を使っていないので違法ではないが、医師の指導を受けないで注射針を刺したことは問題」として、すでに9人を厳重注意にしている。

 同本部の説明によると、9人は24―45歳の救急救命士で、1997年から昨年10月ごろまでの間、複数回にわたり、仲間同士で静脈に留置針と呼ばれる注射針を刺す訓練を行っていた。回数が最も多い救急救命士で、5―6回行っていたという。

 救急救命士は、医師の指示を受け、搬送中の患者に心臓の循環機能を促進させる薬などを注射することが多い。しかし、救急救命士法では、医師の指示がなければ医療行為を行ってはならないと定められている。

 同本部の川上隆幸次長(56)は「生身の人間に注射する機会が少ないので、その不安を取り除くために仲間内で訓練したのではないか。今後は訓練の機会を増やすよう、提携関係の病院に協力を要請した」と話している。】

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 これってやっぱり、「行き過ぎた訓練」なんでしょうか?
 いや、「全く経験がない」人たちが集まって練習しあっていたのならともかく、それぞれ救急救命士になる前に訓練を受けているはずなのでは…
 普通に考えると、「どうやって練習するか?」と考えると、いちばん妥当な方法は、こうやってお互いの腕で注射の練習をすることだと思うのですが。
 確かにサーフロー針と呼ばれる留置用の針を刺すのは、普通の採血用の針を刺すのとはまた違った感覚があり、慣れないとけっこう難しいものです。そして、救命士がその行為をやらなければならない状況というのは、患者さんの容態も切迫していて「注射もやりにくいし、失敗が許されない」という状況。
 医者や看護師でも人間に注射針を刺すのには練習が必要ですから、僕は彼らがそういうふうに練習することって、当然なんじゃないかなあ。
 いきなり患者さんや搬送中の人で練習するわけにもいかないし、かといって、しょっちゅう病院で練習するわけにもいかないですよね。
 医者が頻繁に出向いて、お互いにやればいい、と思われるかもしれませんが、ああいう仕事は、やり方を教えたら、あとは「経験の問題」なんですよね。もちろん、個人差はあるでしょうけど。

 実際の本部の対応が、そんなに厳重なものではないところからみても、そんなに「悪いこと」というイメージは、当事者たちもあんまり無いんじゃないでしょうか?
 人間に針を刺すというのは、刺す側だって怖いんですよ。
 絶対いつでもやれるような簡単なことだったら、誰も痛い思いをして練習しないって…

 でも、これってどうして問題になったんでしょう?
 ものすごく下手な人が、とんでもない注射をしたのかな…