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2004年01月07日(水) ■ |
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吉野家は、どうして「カレー丼」を選んだのか? |
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毎日新聞の記事より。
【吉野家ディー・アンド・シーは6日、全国の「吉野家」のうち数十店舗で、牛丼の代替メニューになる「カレー丼」の販売を始めた。BSE問題による米国産牛肉の輸入禁止に伴い、在庫が2月10日ごろになくなる見通しのため、その時期を少しでも先に延ばすための措置。12日までに全国980店すべてで販売を始める。】
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この「吉野家カレー丼」の話題、けっこう夕方のニュースで流れていましたね。街の人の声としては、「味はまあまあだけど、専門店のほうが美味しい」とか「400円というのは、ちょっと高い」というのがありました。ちなみに、実際に食べてみたレポーターの感想は、「甘くて食べやすい」だったのですが、それってカレーに対する褒め言葉としては、ちょっと違うような… 「やっぱり吉野家は牛丼」だと僕も思うのですが、実際、どうしてカレー丼なのかちょっと疑問ではありますよね。「すき屋」の真似をしたわけでもないでしょうが。都会では「鮭いくら丼」とか「焼鳥丼(これは前にもありましたが)」なんてのも売り出されているみたいですけど。 カレーなんてどこにでもあるから(ましてや、「すき屋」にもありますし)、個性を出すためには親子丼(これも「なか卯」があるけど)やカツ丼でも良さそうな気もするんですけどねえ。
ただ、これが吉野家の弱味ともいえる部分で、あれだけの店舗があっても、実際に調理ができるスタッフはほとんどいなくて、スタッフの多くは各地でまとめて下ごしらえされた牛肉を各店舗で仕上げをするくらいのもの。つまり、「新メニュー」とはいっても、あまり技術を要するものは出せないと考えられます。 吉野屋のスタッフは、ごはんの分量や牛丼の盛り付け方については厳しいトレーニングを受けているのですが、いきなり他の料理を作れるわけもなく。 「カレー丼」なら、拠点でまとめて生産して各店舗に配送し、店では「基本的には盛り付けるだけ」ですから、素人のスタッフでも対応できる、というところなのでしょう。親子丼とかカツ丼となると、卵の火の通し加減なんて、けっこう難しそうだし。
それにしても、やっぱり吉野家のカレーは、最初はもの珍しさで売れるかもしれませんが、あまり長い間カレー丼で勝負するのは厳しそう。 「すき屋」でもカレー食べてる人って少なくないですか? そりゃ「専門店のカレーのほうが美味しい」でしょうし。 まあ、これについては、吉野家は専門店と比較すると「早い」「安い」というメリットがありますから、「専門店のほうが美味しくて当たり前(というか、味で負けるような専門店では厳しい)」のはずだけど。
しかし、カレーっていうのは本当に懐の深い食べ物ですよねえ。家庭料理の定番であるのはもちろん、学食で金がないときにお世話になることもあれば、ご馳走としてヨソイキのメニューになることもありますし。 なんとか牛丼が復活するまで、吉野家が潰れないように支えていただきたいものです。 個人的には、当面は値段が高くなっても国産牛でいいんじゃないか、なんて思うんですけど。 「牛丼ひとすじ、80年〜」ってCMが、なんだか懐かしい。 とはいえ、生き残るためなら、なりふり構ってはいられないよね、やっぱり。
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