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2004年01月06日(火)
究極に不幸な生き物・ハクビシン

共同通信の記事より。

【新型肺炎(SARS)の感染源が野生動物ハクビシンである可能性が強まったため、中国広東省政府はハクビシンの集中撲滅作戦に乗り出し、初日の5日だけで2000匹以上を収容した。
 新華社電によると、中国共産党広東省委員会は5日、全市民を動員して感染源を絶つよう緊急指示を出し、張徳江・同委員会書記は10日までに省内のすべてのハクビシンを殺すよう呼び掛けた。
 5日は省内でハクビシンを飼う41業者を摘発して合計2030匹を収容する一方、他省からの流入を防ぐため主要道路の8カ所に臨時検査所を設け、積み荷のチェックを始めた。
 省内で最大の野生動物市場として知られる広州市の新源市場では、初日から100人以上の係員が検査を嫌がる業者をくまなく調べ上げ、2時間余りの検査でハクビシン85匹を発見、収容した。
 業者の1人は「湖南省から1匹500元(約6500円)で入手したが最近売れ行きがよくなかった」と話したという。】

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 ハクビシンというのは、こんな生き物です。

 広東省には、約1万匹のハクビシンが流通しており、政府はこれらを「撲滅」する予定とのことです。
 こういう話を耳にするたび、人間にとっての「環境保護」というのは何なのだろう?と僕は思うのです。
 都合のいいときだけかわいがって、都合が悪くなれば「処分」かよ、なんて。

 新型肺炎(SARS)に感染した中国広東省広州市の男性(32)から検出されたコロナウイルスが、野生動物ハクビシンから検出された新型肺炎ウイルスと遺伝子の塩基配列がほぼ同じであることが5日分かったことから、今回の処分となったらしいのですが、ハクビシンにとってはいい迷惑ですね、まったく。
 ちなみに、世界保健機構(WHO)は、ハクビシンが感染源になったという見方について「100%そうだとはまだ断定できない」とコメントしています。
 まあ、SARSが蔓延するのを防ぐためには、「疑わしい芽は潰す」というのは、けっして間違ってはいないのかもしれないけれど。
 
 それでも、人間にとっての「環境保護」というのは、あくまでも「人間に都合のいい環境の維持」であることがほとんどです。
 僕だって、森林浴は気持ちいいとは思う一方で、蛇に遭遇するのは嫌だし。
 だったら、あんまり偉そうに「環境保護」なんて訴えても仕方ないような気もしますね。
 人間が死滅したって、自然は「生きている」のだから。

 というようなことを考えていたら、こんなコラムを見つけました。
さすが中国というか…食べてるんですね、ハクビシン。
 う〜ん、ハクビシンにとっては、結局食われるんだったら、同じようなものなのかな。
 撲滅されるか、食われるか…なんて不幸な2者択一なんだ…哀れハクビシン。
 それにしても、恐るべし、中国。四つ足のものは机以外は食べる、なんて言いますからねえ。
 ハクビシンを愛玩動物だと思いこんでいた僕は、まだまだ視野が狭いようです。