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2003年12月30日(火)
「曙vsサップ」に期待すること

日刊スポーツの記事より。

【ボブ・サップ(29=米国)は軽快なビースト節を連発し、曙太郎(34)は口を真一文字に結んだ。明日31日に行われるK-1 Dynamite! ! (ナゴヤドーム)のメーンで激突する2人は29日、決戦地の名古屋に到着し個別の記者会見に出席した。「フグボノをおいしく料理して食べ尽くす」とリラックスするサップに対して、K-1ルール初挑戦の曙は「頑張れば人間に不可能ということはない」と緊迫感をみなぎらせた。元横綱対元NFL選手という史上初の「世紀の一戦」に向けて、両雄の表情は好対照だった。】

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 対決!曙対サップ!
 なぜか今年は大晦日に格闘技イベントが3つも重なることになってしまって、非常にドタバタしているのですが、話題性といえばこの試合に尽きるのではないかと思います。僕も明日は紅白を家で録画して(まあ、大晦日の夜以外に観る紅白というのは、演歌の人がやたらと多くてカメラワークがぎこちない歌番組でしかないのですが)、これらの格闘技イベントを(急患で呼ばれない限り)当直室で観る予定なのです。
 それにしても、1日ずつずらせば、3つのイベントとももう少し人も集まるでしょうし、視聴率も取れると思うんですけどね。
 結局、「大晦日に格闘技を観る人たちの数」というのには限界があって、その人たちの最大公約数が、去年「猪木祭」を観たと思われますので、小ッ年はおそらく、その一定の人数の中での視聴者の奪い合いになるのでしょう。
 どうしてそこまでして大晦日の紅白の裏の視聴率争いをするのか、僕にはよくわからないのですが。
 まあ、その時間帯というのは、一種の「象徴化」しているのかもしれませんね。

 ところで、この「曙対サップ」なのですが、先日の特番やCMなどでの曙の動きを見ていると、どう考えても「華麗なテクニックの応酬」にはなりがたい試合です。曙は突っ張りのトレーニングはやっていてもパンチの練習なんてしたことないでしょうし、キックなんて受けたこともないでしょう。
 もともと膝が悪くて引退して、その上かなりのブランクがあるのだから、不利なことこの上ありません。
 相手があまりキックを使わない猪突猛進型のサップですから、なんとか試合になるのかもしれませんが…
 曙の勝機があるとすれば、ファーストコンタクトの「一発」でサップを吹っ飛ばすしかなさそうな感じです。

 普通、新しいことに挑戦する場合には、まず簡単なところからはじめて、徐々にレベルアップしていくのが一般的です。しかし今回は、話題性のために、いきなり相手がボブ・サップ。いくら才能がある高卒ルーキーでも、プロ野球の投手の球に慣れるのには時間がかかるように、厳しい条件です。

 しかし、いくら本人が望んだことであり、多額のギャラが貰えるとはいえ、こんな日本中で注目される試合で、しかも不利な条件で闘うというプレッシャーは、非常に大きなものでしょうね。
 ある意味「横綱」を背負っているわけですし。
 情けない試合をしてしまったら、日本中からパッシングを受けること必定。

 そんな他人の闘いに一喜一憂してしまう人々(僕も含めて)というのは、まるで「パンと見世物」を求めたローマ市民みたいなものかもしれません。
 紅白歌合戦の出場歌手や曲順、格闘技イベントの組み合わせへのクレーム、結局そんなことは、僕たちの人生には何の関係もないことなのにねえ。

 まあ、キック一発で決まってしまうとかの凡戦に終わったら、それはそれで悪口を言う愉しみもありますしね。紅白でいちばん記憶に残ったシーンは、加山雄三の「仮面ライダー!」と伝説の「ミソラ〜!」だもんなあ。

 大晦日、日本中がトラブルを待っている!