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2003年12月23日(火) ■ |
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「もっこり」は、苦肉の策だった! |
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「シティーハンター完全版・1巻」(北条司著・徳間書店)の「初代担当編集者が語る、CITY HUNTER誕生秘話」より。
【当初から「シティーハンター」は、渋い話が続き、ハードな展開が続きました。それゆえか、人気がなかなか出ない。どうしようと北条さんと私は、悩んでしまった。ふたりで考えたことは、「とにかく主人公の性格を、明るいものに変えて行こう」というものでした。その時の打ち合わせで出た言葉が「もっこり」だったんです。主人公の性格を明るく変えるためには、もってこいの言葉、性格づけでした。嬉しいことに、この性格の転換があって以降、漫画の人気はぐんぐん上昇しました。】
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この文章は、漫画「シティーハンター」の初代担当編集者である堀江信彦さんが、当時を述懐して書かれたものです。 大人気だった記憶しかない「シティーハンター」ですが、実際はそのスタートはけっこう多難だったみたいです。 確かに、この「完全版」で最初の頃の話を読んでいると、今の僕が読んでもけっこうハードボイルドで、社会派の内容ですから(それはそれでカッコいいんだけど)、当時の子供たちには、ちょっと難しいというか、あまり理解されなかったのではないでしょうか? いきなり、パートナーの槇村さんは殺されちゃうし。
でも、主人公冴羽リョウのあの「もっこり」、僕がリアルタイムで読んでいたときには、「下品だなあ…」と半ばバカにしていたのですが、あれが実は「苦肉の策」だったとは。 まあ、確かに、そういう3枚目の面が、親しみやすさにつながっていたんだろうなあ、と今になってあらためて思うのですが。 それにしても、北条さんと堀江さんが、男二人で角突き合わせて、「そうだ、『もっこり』なんてどうかな!」なんて話している姿は、なんだかせつないものではありますね。シラフでやるのは辛そう。 笑いの現場には、それはそれで切実な舞台裏があるんだな、なんて考えてしまいました。
それにしても、「スケベ」というのも、その人のキャラクターによっては魅力のひとつになる、とか感じたのは、この漫画がはじめてだったような気がします。 いや、「もっこり」だけ真似しても、どうしようもないんだけど。
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