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2003年12月14日(日)
ネットバトルを誘発する原因

「トンデモ創世記」(唐沢俊一・志水一夫共著・扶桑社文庫)より。

【志水:夜中とか明け方に原稿を書き終えることがありますよね。手書きのときは、これをすぐには送らないで一回寝るの。起きてから見直すと見えてくる。ワープロでプリントアウトするとそれと同じ効果があるから、まずは一回寝るってことがなくなった。

唐沢:「寝かす」と驚きますね。こんなものを何故オレは書いたのか、と。人間ってそういう生き物なんですね。書いているときは、読むモードにないから。だからネット・バトルっていうのはね、だいたいそれが原因ですよ。書いたものを校正しないからですよ。

志水:「そうか(爆笑)」

唐沢:「そのまま送っちゃうからね。バトル誘発の原因ですよ。うん。

志水:「あとから読んでみるとバカみたいだもんね。」】

〜〜〜〜〜〜〜

 僕は結構、批判的な内容にレスするときは、きちんと文章を校正したりしていますが。だって、そこでヘンなことを書くと、さらにバカにされかねませんし。
 でも、自分では冷静に推敲したはずの文章でも、確かに翌朝起きて考えてみると、「なんであのくらいのことに熱くなってたんだろう?」とか、自分で恥ずかしくなることが多いのです。
 ネットの「即時性」というのは、ものすごく便利な点であるのと同時に、他人と言い争っていて、口からつい出てしまう失言のような性格があるのかもしれません。
 ただ、面と向かっての口論の場合は、たいがいお互いが相手と面識がありますし、やっぱり、悪口を言うのにも「手心が加わる」部分がありますよね。まあ、「今後のこと」というのも少しは考えますし。

 もし、自分のところに悪口を書いた手紙が送られてきたらどうでしょうか?
 読んで腹が立ったとして、それに対する返信を送りつける場合には、手紙というのは結構めんどうなものですから、そんなやりとりをしているうちに、お互いに冷静になってきて、「もういいや」ということになるんじゃないかなあ(場合によっては、「法的措置を」ということもあるでしょうが)

 ネットというのは、ある程度「即時性」があって、しかもバトルの相手は、大部分が「面識がない人」です。さらにネットバトルを複雑にする要因は、「その争いをリアルタイムで観ている人」が存在することです。
 人通りのない場所での一対一のケンカなら、争っているうちにお互いに「疲れたしそろそろ止めようか」ということになるのですが、ネット上だと、やっぱり「傍観者の目」というのが気になってしまうんですよね。
 「ここで引いたら、恥ずかしい」とか「すぐにレスしないと、困っていると思われるんじゃないか」とか。いずれも、自意識過剰がなせる業なのでしょうけど…
 場合によっては、傍観者のはずの人が、火に油を注いでまわったりするんですよねえ…
 だいたいのネットバトルは、理屈とか正しさよりも時間が解決してしまうものなので、本当に「寝てしまう」というのはひとつの解決法なのかもしれませんね。
 ほんと、そういうときのエキサイトした文章って、後から読むと、バカみたいで自己嫌悪に陥ることばかりなんだけど。