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2003年11月16日(日)
僕は、その大人の傲慢が今でも許せない。

毎日新聞の記事より。

【鹿児島市の繁華街・天文館で16日、49台の防犯カメラが稼働し始めた。来年度にはさらに数台を増設する。財団法人・都市防犯研究センター(東京都)によると、東京・歌舞伎町の50台に匹敵し全国最大規模という。

 天文館の11振興組合でつくる中央地区商店街振興組合連合会(約570店舗)が、アーケード街計1.8キロに設置。午後5時〜翌朝9時に録画する。設置費用2500万円の65%は国、県、市が助成した。

 天文館ではここ数年、夜間にシャッターに落書きされたり、ショーウインドーが割られるなどのいたずらが多発している。同商店街組合は「プライバシー保護を最優先で運用する」と書いたチラシ約5000枚を買い物客に配り、理解を求めた。】

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 最近では、広島の平和公園とか、信じられないような場所でも迷惑行為も頻発しているくらいですから、これも仕方がないことなのかもしれませんが。
 この記事を読んで、僕はひとつの嫌な事件を思い出しました。
 たぶん、小学校高学年くらいだったと記憶しているのですが、近所のスーパーの本屋に行って、結局欲しい本が見つからすに手ぶらで帰ろうとしたときのことでした。
 「ちょっと、キミ、待ってくれる?」
 知らないオジサンが僕を呼び止めて、そんなふうに言ったのです。
 「その、ポケットの中のものを出してみて」
 「えっ?」という気持ちでした。僕がいったい何をしたのでしょうか?
 でも、とりあえず小学生ですから、怖くてポケットの中から四角い財布を出すと、そのオジサンは、何も「ああ、いいよ」と言って、その場を立ち去って行きました。
 僕が、このことをどうしてこんなに根に持っているかというと、ひとつは怖かったというのもありますし、もうひとつは、たぶん補導員と思われるそのオジサンが、僕に一言も謝らなかったことに、今でもひどく腹を立てているからです。
 「いいよ」とは何だ!って。

 「人を見たら、泥棒と思え」それは確かに、オトナの理屈からすれば正論かもしれませんが、僕としては、全くの濡れ衣を着せられて、怖い目に合わされ、その上相手からは何の謝罪も無かったのですから、納得いくわけがありません。
 それ以来、その店には一度も行ってません(というか、もう何年も前に潰れてしまいましたけどね)。

 他人を「疑う」というのには、それなりの責任がともないます。
 もちろん、「信じる」ということだって、覚悟が必要ですが。
 この天文館のニュースを読んで、僕はなんだかすごく嫌な感じがしました。
 ラスベガスに行ったときは、確かに、通りのあちこちにセキュリティの人が立っていたのは心強くはあったんですけどね…
 誰も、監視カメラが並んでいるところで買い物をしたいという人はいないはずです。それが、万引き目的でないとしても。
 「疑われている」ということだけで、普通の人はひどく傷つきますし、不愉快になるものです。
 商店街も困っているのはわかるのですが、せめてすべての店が閉店してから、開店するまでの夜間〜早朝に、厳しく使用時間を限ってもらいたいものです。
 僕は、そんなものが設置してある時点で、その商店街で買い物をしようとは思いませんけど。

 今から考えると、あのとき、あのオジサンが、一言「疑ってごめんね」と言ってくれていたら、僕だってだいぶスッキリしていたと思うんだけどなあ。
 もし、そういう補導とかする立場の大人がこれを読んでいたら、これだけは肝に銘じておいてもらいたい。
 子供だからって、バカにするような大人は、きっと子供からも軽蔑されていますよ。
 あなたがされて不愉快なことは、子供だって不愉快に決まっているじゃないか!