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2003年11月12日(水)
『スター・ウォーズ』に呪われた、ジェダイの騎士たち

「日経エンタテインメント!・2003・12月号」(日経BP社)の特集、「ハリウッドスターの失敗作100」より。

【ハリソン・フォードは、当たり役『スター・ウォーズ』(77年)のハン・ソロさえも、「薄っぺらなキャラクター」と一蹴している。
 その『スター・ウォーズ』は、旧シリーズでオビ=ワンを演じた故アレック・ギネスも、出演したことを恥じている。子供たちにサインをせがまれると、もう2度と『スター・ウォーズ』を観ないと誓った子供にだけサインした。
 『スター・ウォーズ』新シリーズでオビ=ワンに選ばれたユアン・マクレガーも、一時期、作品をけなしていた。】

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 まさに、呪われた『スター・ウォーズ』、呪われたオビ・ワン、という感じのエピソードです。
 そういえば、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルさんも、役のイメージが強すぎて、その後は泣かず飛ばずでしたし。日本のB級特撮映画に出演していたのを偶然観たときには、思わず「あっ、ルーク!」と口をついて出てしまいました。「この人も『スター・ウォーズ』さえなければ…」なんて、思ったり。
 最近では、「レオ様」ことレオナルド・デュカプリオなんかも、この罠にはまりつつあるみたい。「ギャング・オブ・ニューヨーク」でも、ダニエル・デイ・ルイスの演技のほうに評価が集まりましたし。
 
 もっとも、多くの役者は「代表作すらない」という状況なのですから、『スター・ウォーズ』という超代表作がある彼は、幸せ者なのかもしれませんけど。
 ハリウッドの役者の間では、「オスカー(アカデミー賞)を獲りたかったら、狂人か売春婦を演れ!」と言われているそうです。
 確かに、そういう複雑そうな役のほうが、役者の演技力が問われるわけで、「自分の実力を発揮できる」というふうに、みんな考えるみたいですね。
 むしろ、あまりに単純な正統派ヒーローなんていうのは、演技派俳優・女優たちには好まれない役柄のようです。
 
 実は、故アレックス・ギネスさんは、ローレンス・オリビエと並んで、「英国史上最高の俳優」と言われる名優で、1957年には『戦場にかける橋」で、アカデミー賞主演男優賞も受賞されています。
 にもかかわらず、世間で一番知られている作品が「深みのない役」のジェダイの騎士である、というのが許せないのもなんとなくわかるような気もしますね。
 しかし、子供に「もう『スター・ウォーズ』は観ない」と約束させるというのは、ちょっとやりすぎだったんじゃないかなあ。
 子供たちも、「なんで?」って、さぞかしびっくりしたことでしょう。

 もしかして、オビ=ワンもフォースの暗黒面に…

 いつの時代も、演技をする人と演技を観る人の間には、スクリーン以上の大きな壁が立ちふさがっているのかもしれませんね。