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2003年10月30日(木) ■ |
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オーロラを観たいと思うことと、オーロラを観に行くこと。 |
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共同通信の記事より。
【太陽で起きた爆発による大規模な磁気嵐で、北海道東部から北部の地平線近くの北の空に29日夜、赤くうっすらと光る低緯度オーロラが出現し、陸別町の銀河の森天文台などが写真撮影に成功した。 同天文台によると、28日夜に太陽表面で大規模な爆発(フレア)が発生し、磁気嵐と呼ばれる電気を帯びた粒子が地球の電離層に到達。爆発の規模が過去30年で最大規模だったため、オーロラ出現の可能性が高まっていた。 オーロラは、アラスカや南極など高緯度地域ではカーテン状に現れるが、太陽表面の爆発で磁気嵐が起きると、日本のような低緯度地域でも北の空に暗く赤い幕のように現れることがある。 銀河の森天文台の筧信浩主任(30)は「普段は写真で赤く確認できるだけだが、今晩は肉眼でもオーロラが観察できる」と興奮気味に話していた。】
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オーロラ、といえば、昔からの友人が、オーロラを観にアラスカに行ったときの話をしてくれたのを思い出します。 アラスカといっても、いつもオーロラが観られるわけではなく、むしろ、「オーロラが観られたら運がいい」というくらいの確率だそうなのです。 彼は、真っ暗な空にかかる光のカーテンの美しさを僕に力説してくれたのです。 そのときは、僕も一度は自分の目で観てみたいなあ、と思ったのですけど。
しかし、考えてみたら、わざわざオーロラを観にアラスカまで行くのって、けっこう酔狂な話ではありますよね。もともと出不精で、海外旅行デビューも遅かった僕には、まだまだ観るべき観光スポットはたくさんありますし。 それは、その土産話をしてくれた友人だってそうだったはず。
例えば、ピラミッドは逃げないし(ちょっと治安に不安がありますが)、ナイアガラの滝は急に停まったりしません。アンコール・ワットだってあらかじめ予定を立てておけば、まず「行ったけど観られなかった」なんてことはないはずです。 アラスカに行っても、買い物したり他の観光スポットに行ったり、なんてことは、ちょっと期待薄な気もしますし。
それなら、オーロラなんて「観られないかもしれないもの」を観に行くより、確実に観られるものから先に攻めていくのが常道じゃないか、というようなことをついつい考えてしまうのです。 寒いところですから、あまり年をとってからだと厳しいかもしれませんが。
それでも、いやむしろ、「観られるかどうかわからないもの」だからこそ、オーロラを観たいと思う人だって、結構いるのでしょうね。 以前、椎名誠さんが、「どんな綺麗な景色でも、5分(15分、だったかな?)観ていれば飽きる」と書かれているのを読んで、僕も深く頷いたものでした。 どんな絶景でも「すごいなあ!」と思うのは、最初の一瞬だけで、あとの時間は「せっかくここまで来たんだから、見とかなきゃ!とか記憶しておかなくちゃ!」というような気持ちが強くなるような気がするのです。 実際は、その「自分の眼でひと目観た」というのは、換え難い経験なんですが。
「みんなが観られるものじゃないからこそ、オーロラを観に行く」というニーズもあったりするのかなあ。
こうして日本でもオーロラが観られたりすると、きっと、アラスカで観た人は「向こうのほうが綺麗だった」とか言うんですよね、きっと。ちょっと悔しがったりしつつ。 僕だって、「ラスベガスで観た『シルク・ドゥ・ソレイユ』は凄かった、やっぱり本場は違うよ!」とか、ついつい言いたくなりますし。
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