|
|
2003年10月18日(土) ■ |
|
どうして個人サイトは「三日坊主」になるのか? |
|
WIREDの記事より。
【市場調査会社の米パーシアス・ディベロップメント社が6日(米国時間)発表した「ブログ」サイトの調査によると、3分の2が2ヵ月以上、全く更新されていないという。日記のような気軽さでウェブログを作成できるホスティングサービスが次々に登場したが、実際の日記同様、「三日坊主」になることが多いようだ。】
参考リンク:「調査結果:ウェブログの3分の2は「三日坊主」
〜〜〜〜〜〜〜
たぶん僕だけではないと思いたいのですが、いろんなサイトを見に行くたびに、「ああ、世間には自分のサイトよりも人気があるところばっかりだなあ…」と嘆息することってないですか? 石川啄木ではないですが、「友がみな、われよりえらく見える」んですよね。 ああ、アクセス数が多いなあ。とか、掲示板賑やかだなあ、とか。 ほんと、WEB上には人気サイトだらけのような気がしてきます。
しかし、冷静に考えてみると、そういうのって、売れない歌手が、テレビに出ている歌手を観て「他の歌手はみんな売れている」と思い込むようなものなのかもしれません。
「視界に入ってくるのがみんな人気サイト」だというのは、すべてのサイトがランダムに視界に入ってくるという条件下ではなくて、「ある程度人気があるから、露出度が高くて自分の目にも触れやすい」からなんですよね。 実際、WEB上に開設されているだけで、どこともリンクされておらず、宣伝もされていないサイトなんてのは、実生活での友人のサイトでもなければ探しあてるのは困難なのです。
それでも、サイトを立ち上げるときは誰しも、「自分のサイトが大人気サイトになるはず」という期待を多少は持つものだと思うのです。 そして、その期待と現実とのギャップに悩まされてしまう。
誰かの身の回りのことを書いて普通に立ち上げたサイトなんて、そんなに他人の興味を引くものでもないにもかかわらず、自分のサイトについては、誰しも欲目で見てしまうものですから。
結局、「何を書いてもメールも来ないし、掲示板にも誰も書き込んでくれない」という気持ちになってしまい、張り合いがなくてサイトは休眠、というのが、多くのパターンだと思います。
「ブログ」と呼ばれるニュースを取り上げるタイプのサイトでは、常に新しいニュースを拾っていかなければなりませんし、その苦労の割には報われることは少ないジャンルのような気もします。 だって、ニュースサイトに対しては、取り上げてもらったサイトからは感謝のメールとかが届くかもしれませんが、普通の読者から「感謝や感想のメール」なんてのが届く確率は、同じアクセスがある日記やテキストのサイトより少ないでしょうし(むしろ、クレームが多そう…)。
僕は、この3分の2という数字をみて、むしろ、3分の1も「続けて」いることが(実質は。閉鎖同然のものも含まれていると思いますが)意外でした。 日本でも、これだけニュース系サイトがある状況下では、新しく参入する人たちは、なんらかの新機軸がないと評価してもらえないでしょうし、実際は、一部の大手ニュースサイトが拾ってきたネタを中小サイトが2次利用している場合が多いようです。 後になればなるほど、差別化していくのは難しいし、見にくる人たちは、残念ながら管理者の成長を根気強く見守ってもくれない場合がほとんどです。 ちょっとだけ覗いて「やっぱり、いつものサイトのほうが情報量も多いな」という結論に達する場合が多いのでは。
そういうふうに考えると、個人サイトを続けていける(閉鎖しない、って意味ではなくて、定期的に更新していけるモチベーションを保つ、という意味です)確率って、ウミガメの卵がオトナのカメになる確率より低いのでは、と最近思うようになりました。
では、「3日坊主にならないためには、どうすればいいのか?」ということですが、考えられるのは、 (1)収入の手段となること(サイトでお金を稼げるようになること) (2)他人から励ましてもらえる状況にあること(掲示板やメールなど) などでしょうね。 でも、(1)のようなサイトは誰にでもできるものではないですし、(2)は、場合によってはサイト運営が嫌になったり、妙なプレッシャーになってしまう要因にもなります。
最大のものはやっぱり、(3)サイト運営者が「書くこと」(あるいは「描くこと」が好きなこと、なのではないでしょうか。 これは、他人に左右されることがないから。 それでも、まったくリアクションがないと厳しいですよね、実際は。
ゴッホは凄い画家なわけですが、生前は全然絵が売れなかったそうです。 考えてみれば、彼の才能以上に「全然売れないのに絵を描き続けた」っていうのが、スゴイことなのかもしれません。それだけ理解されなかったら、普通あきらめるのではないかと。
あとは「サイト運営というものに、あんまり期待しすぎないこと」かな。
〜〜〜〜〜〜〜
「いやしのつえ」は過剰な期待をしすぎないようにやってます。
|
|