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2003年10月14日(火) ■ |
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「サイトでお金を稼ぐこと」の難しさ |
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夕刊フジの記事より。
【ジーコ監督の不人気が加速中だ。10月末日で鳴り物入りでスタートした「日本代表.com」という代表チームの公式サイトが休止されることが明らかになった。
この関係者によれば、「契約者が2000人前後しか集まらない。昨年7月にジーコ監督が就任して期待していたのですが…」。
このサイトはA代表を筆頭に、日本代表チームのすべての情報を網羅。その中でジーコ監督が就任してからは、独占インタビューを柱にするなど、アクセスするだけで、日本代表の今がわかるものというものだ。ただし、これには会費が必要。会員になることで、特別な情報を得られるシステムは中田英寿が運営するオフィシャルサイトと同じ方式だ。
ところが中田の方は50万件ものアクセスがあるのに対して、こちらは約2000人の登録ということで、何とも寂しい限りである。】
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参考リンク:「日本代表.com」
この記事を読んで、僕ははじめて「日本代表.com」というサイトを覗いてみたのですが、率直なところ、この内容で月額800円は高すぎです。 スポーツ新聞のサイトや「スポーツナビ」は、無料なのに「日本代表.com」と遜色ないくらいの情報を提供しているのだから、わざわざお金を払って登録する人は少ないのではないかと。
中田選手の公式サイトのほうは、ここでしか見られない本人の日記やインタビューなどがありますし(しかも、無料コンテンツも多くて、有料会員サイトも月額500円)。 それに、「アクセス数」と「登録者(=有料会員)数」の比較自体が、あまり意味のないことなんですよね。 この失敗は、「ジーコ監督の不人気」というよりは、サイト運営側の見通しの甘さが原因だったのではないかと思います。 正直、このサイトに月額800円も払う人が、よく2000人もいたなあ、と感心するくらい。 ジーコ監督も、責任を押し付けられてはかなわないのではないでしょうか。
僕たちは、「インターネットのサイト閲覧は無料」 というのが当然のことだと考えています。 しかし、多くの企業サイトは、無償でサイトをやっているというよりは、広告戦略の一環として、という場合が多いですし、大きなサイトは、表示される広告で運営され(+利益をあげ)ているところも多いのです(Yahooなどが代表格)。
でも、実際に僕たちは、有料サイトを利用するのには、ちょっとためらうところがありますよね。 金額は小さくても、現金でその場で受け渡しができずにクレジットカードの番号を要求される場合が多いですし、そうなるとセキュリティ上の不安もあります。 なんといっても、タダで当然、と思っているものにお金を払うのは、なんとなく悔しい。 僕自身は、楽しみにしている日記や情報サイトが1更新10円くらいだったら、お金を払ってもいいとは思うのですが、それに付随するカード番号の入力の手間を考えると、どうも面倒くささが先に立ってしまいます。 携帯のサイトなんかは、あんまり考えずに「マイメニュー登録」してしまって、後悔することが多いのに(それに、あれはページを観るのにもお金がかかるのに)。
現在のインターネットでの有料サイトの代表格は、昔のゲームが遊べるサイトや一部の情報系サイト、そしてアダルトサイトということになるのですが、「WEB投げ銭」や「アフィリエイト」、アマゾンとの提携など、個人サイトでも「少しでもお金になれば」というところも多いようです。 実際、ある程度キチンとしたサイト運営というのは、けっこう時間を割かないとやっていられないものでしょうし、「せめてネット代くらいは…」というのは、ある意味当然の発想ですよね。 しかしまあ、余程大きなサイトでもないかぎり、現実的にはそれで利益を上げるのは難しく、そんなにアクセスもないのに、サイトは広告のバナーでゴチャゴチャ、という罠に陥りやすいのですが… だいたい、「自分が他のサイトに行ったとき、スポンサーサイトとやらをどのくらいクリックするか?」と考えたら、よほどの巨大な母集団がない限り、なかなか難しいということはわかりそうなものですが…
将来的には、本当に質の良いサイトというのは、有料化されていくのだろうと僕は予測しています(もしくは、なんらかの形で運営者が利益を得られるような形になるのでしょう)。 ただねえ、よっぽど無料サイトや他のサイトとの差別化ができていないと、「お金を取れるサイト」というのは難しいですよね。 たぶん「日本代表.com」も、運営サイドがあまり他のサイトを研究せずに、「こんなもんでいいだろ」って感じで始めてしまって、大失敗してしまったのでしょうし。
僕は、タダでいいからよりたくさんの人に観てもらいたいほうなので、サイトでお金を得ようとは思いません。僕の書くものには、お金を取れるほどの価値はないだろうし、趣味にはお金がかかるものだしね。逆に、無料だったら「タダなんだから」という切り札がある。
現在の「無料で当然」というネット上で、会員制とかいう形式でお金を取るというのは、けっこう怖いものなんじゃないかなあ、という気がします。 「せっかく金払ってるんだから、ちゃんと更新しろよ!」とか「金払ってるのに、つまんないこと書くんじゃないよ!」 とか言われるのって、けっこう辛いと思うんですよね。
まあ、無料サイトに対しても「早く更新しろよ!」とか言う人は言うみたいですけどね…
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「いやしのつえ」は慎ましくやっております。無料です。
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