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2003年10月07日(火)
広末涼子退学と早稲田大学の落日。

日刊スポーツの記事より。

【女優広末涼子(23)が早稲田大学を自主退学することが6日、分かった。この日、大学に退学届を提出、後日の教授会で正式に認められる。99年4月に自己推薦制度で教育学部国語国文学科に入学したが、ほとんど授業に出席することができなかった。出席日数不足のため、単位修得もままならず、今年で5年生となっていた。9月に休学することを決めたが、最終的に退学を選択した。トップアイドルの早大入りは大きな話題となったが、結局、学業と仕事を両立することはできなかった。

(中略)

 受験を決めた時点で、学業と芸能活動の両立は可能と判断したが、トップアイドルが、日本でも有数の有名私大である早大に通うことがどれだけ世間に注目されるかは自分の予想を大きく超えていた。大学生活は決して満足いく結果ではなかったが、女優業に専念するという進路決定には役立ったようだ。】

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 「辞めるんだったら、最初から行くな!」とか、「広末のせいで1人落ちたやつがいるんだぞ!」とか言い出す人が必ずいるのではないかなあ、と。
 僕だって、現在の早稲田大学が難関であることは知ってますから、「芸能人だからって…」と最初は思いましたけどね。
 でも、広末さんは、もともとすごく成績優秀だったらしいですよ、本当に。
 普通に勉強しても早稲田に入れたのではないかと言われるくらい。

 しかし、この「辞めるんだったら…」という批判は、実は的外れなんですよね。
 辞めようと思って入ったわけじゃないし、最初はちゃんと学校に行っていた(少なくとも行こうと努力はしていた)わけですから。
 見通しが甘かった、かもしれないけど、登校するとなるとカメラの列ができ、他の学生からもみくちゃにされる大学生活なんて、あんまりですよね。
 少なくとも、彼女が大学に求めていたのは、そんなものではなかったはずです。
 ごく普通のキャンパスライフに憧れていたのでは。

 ちょうど、早稲田に入学した時期くらいから、「広末バッシング」もあり、ほとんどプッツン女優化されていた広末さんですが、最近の彼女はどんどんオトナの女性としての魅力が出てきたと思います。一皮むけた、とでも言いましょうか。

 実際、早稲田入学に付随したトラブルで、彼女は心の傷を負ったでしょう。18歳の女の子にとっては、「18歳らしく過ごせるはずの大学」で、マスコミをはじめとした世間に、特別な存在として異分子であることを余儀なくされたわけですから。
 でも、それが彼女を人間として成長させた面もきっとあるはずです。
 本人が「そんな目にあって成長したくない」と感じていたとしても。

 脚本家・宮藤官九郎さんが、日大芸術学部を中退したときのエピソードを「情熱大陸」という番組で観ました。彼は、表現欲を抑えがたくて大学を中退したそうなのですが、それは、結果として成功だったのだと思います。
 大学というのは、あくまでもプロセスでしかないわけですから。
 もっとも、レールから外れて生きるっていうのは、そんなにラクなものじゃない、それもまた現実。
 特別な人間であるということは、それはそれで大変みたい。

 僕は、ひとつだけ、すごく残念なことがあるのです。
 マスコミはともかく、どうして早稲田の学生たちは、同じ大学の仲間である広末さんに普通に接してあげたり、マスコミから守ってあげようとしなかったのでしょうか?
 全員が全員バカ騒ぎだったのではないとしても。

 もちろん、彼女はいつも関係者がガードされていたり、近寄りがたい雰囲気があったのかもしれませんが、みんな天下のワセダの学生なのに、入学式のあんな騒ぎや授業の盗撮なんて情けないよ。

 いくら彼らが20歳前後の若者だとしても(いや、だからこそなおさら)もうちょっと自分にプライド持てばいいのに、と思うのです。
 世界にたったひとりなのは、ヒロスエだけじゃないんだからさ。


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