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2003年10月03日(金)
誰がために「タバコは毒!」と大書されるのか?

共同通信の記事より。

【財政制度等審議会(財務相の諮問機関)たばこ事業等分科会が3日開かれ、テレビCMや電車の車内広告などを、将来は禁止する方向で議論を進めることを確認した。来年春ごろまでに広告の規制強化案をまとめる。
 財務省は、たばこ会社に対し、2005年7月から健康被害の注意文言を包装(箱)に明記させるほか、「マイルド」「ライト」の商品名で悪影響が少ないと誤解させない注意書きを表示させる方針を同日の会合で明らかにした。
 注意文言は、肺がん、心筋梗塞(こうそく)、妊婦の早産の危険などを警告する計8種類。たばこ会社は1、2種類を選んで、箱の表と裏の30%以上の面積に表記する。
 たばこ広告は現在、業界が自主規制しているケースが多い。】

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 僕はタバコの煙は苦手&医者ですので、まあ、タバコバッシングに対しては、そんなに抵抗感はないのです。
 しかしまあ、ここまで来ると、「そんなに吸わせたくないなら売らなきゃいいのに」とすら思えてきます。
 国民の健康を心配して、というよりは、むしろアメリカで電子レンジで猫を乾かそうとした人が、その電子レンジのメーカーを訴え、しかも、メーカー側は敗訴した(「注意書きに『猫を乾かすな』と書いてなかったから」という理由で)というようなことにならないように、「これだけ注意したんだから」と予防線を張っておきたいだけのような気もしますね。
 「タバコは体に悪い」というのは、もはや日本国民の常識とも言うべきで、注意書きを読んで、いまさら「知らなかった…」と愕然とするオトナがいるとは思えないのですが。
 みんな、わかっているけど敢えて吸っているか、止められないかのどちらかなんだろうと思います。

 ところで、表・裏面の30%以上というのは、どのくらいの面積にあたるのか調べてみました。
 現在日本で売られていタバコのうち、もっともメジャーな品種のひとつである、「マイルドセブン・スーパーライト」を使用しての調査です。
 本当は、もっといろんな種類のものを調べたほうがいいんでしょうけど、なにぶん僕はタバコを吸わないものですから。
  
 「マイルドセブン・スーパーライト」は、寝かせて置いた場合(いちばん広い、ロゴの入った面(以下表面)を上向きにしておいた場合)には、縦8.5cm、横5.5cm、高さ2.2cmです(実測値)。
 左側面のほぼ一面を「あなたの健康を損なうおそれがありますので…」という例の警告の文章が占めています。
 そして、表面の右端から幅1・5cmの部分を「MILD SEVEN」という商品名のロゴと青と黒の線(この線の範囲も計算上は「宣伝スペース」に含めました)が占めています。
 さらに、表面の中央やや左寄りに、縦2.5cm、横3.0cmの「MILD SEVEN SUPER LIGHTS」のロゴマークが描かれているのです。

これらの「商品宣伝スペース」を表面全体の面積で割ると、約43%という結果が出ました。
もちろんこれは、おおまかな計算ではあるのですが。
また、「LUCKY STRIKE」のようにロゴが大きく書かれているタバコでは、おそらくこの「宣伝スペースの割合」は、この値より大きくなるものと考えられます。

これらをまとめると「マイルドセブン・スーパーライト基準」でいった場合、現在の表面での商品の宣伝のためのスペース(ロゴマークや周辺のデザイン部)の3分の2以上のスペースで、「これは体に悪い!」と書かないといけないことになりますね。
そんなものを売ってもいいのか?と思わず問い詰めたくなるような商品になりそうな感じ。

それじゃ「マイルドセブン」なのか「毒」なのかわからないですよね。
結局、タバコ=毒と世間的にアピールしながら、愛煙家は「そんなことはわかってるよ」といいながら吸う、という状況になるんでしょうけど。

現時点で、世界中でタバコを作ったり、売ったりして生活している人も多いわけですから、すぐに禁止するのも難しいでしょうし。

以前、アメリカの大統領が、「麻薬使用者本人に対する刑罰は、麻薬による身体的障害を超えない程度でなければならない」と言ったそうですが、ある意味、タバコは麻薬以上に世間からバッシングされ続けている気もします。
僕としては、自分が煙が苦手で医者でなければ、ちょっとタバコの肩を持ってやりたい気もしなくはないんですけどね…

 でも、田舎で畑仕事の休憩時間に、美味しそうに紫煙をくゆらせている老夫婦を見たりすると、「この人たちからタバコという楽しみを奪って、ほんの少し長生きしてもらうのは、正しいことなんだろうか?」と自分に問いかけてみることもあるのです、本音を言うと。

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