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2003年09月13日(土) ■ |
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キャンプ道具と片付けの才能 |
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「もう少しむこうの空の下へ」(椎名誠著・講談社)より抜粋。
【すぐにテントを張った。この半年ほど都会の仕事に追われていて、ずっとキャンプをしていなかったので、野営道具一式を入れたザックが行方不明になっていた。妻にそのことを言うと彼女が今まで使っていたテントがあるという。
チベットには特別に誂えたテントを持っていくのでそれは今回使わない、というので、そっくり借りてきた。私はどこかでキャンプすると、テントでもなんでもそのまま丸めてくしゃくしゃにしてザックに入れてしまうので、広げるとその前のキャンプの時の砂や小石などが落ちてくる。しかし妻のそれは、いつもきちんと洗ってたたんでいるようで、新品のようだった。
キャンプ用品は、多少面倒でも使って収納するときには丁寧にきちんとやった方がいい。何か壊れていたり部品が不足していたりすると次のキャンプの当日になってまったく困ったことになるのだから…、高校時代から山に登っていて、沢山のキャンプを経験している妻は、いつもだらしなく使い終わった道具を放りこんで帰ってくる私にそう忠告していた。】
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ああ、これは片付けが苦手な僕としては、ものすごく身につまされる話です、もちろん、キャンプ道具に限らずに。 そうなんですよね、使い終わって、収納するときにキチンとしておけば、あとで取り出して使うときにすごくラクになりますよね。とくにこういう「山登りの道具」なんていうのは、ヘタしたら命にかかわりかねませんし。
しかしながら、例えば僕がキャンプから帰ってきたとすると、やっぱりそのときは疲れているでしょうし、「やっと帰ってきた!」という意識ばっかりが先に働いてしまい、やっぱり椎名さんと同じように、「あとでちゃんと片付ければいいや」ってことで、くしゃくしゃにして放りこんでしまうと思います。 そして、「片付けなきゃ」ということをわかっていながらもずっとずっと先送りにして、いつの間にか忘れてしまうんですよね。 こういうことは、「その場できちんとやる」ことが大事、だということなのでしょう。 「たまにしか使わないけど、大事なもの」であれば、なおさらのこと。
そういうふうに「しまうときに、次に使うときのことを考えておく」というのは、頭で考えるのは簡単なんですが、実行するのってけっこう大変なことです。 でも、少しずつでも意識して、習慣づけていくしかないんでしょうね。 個人的には、ザックにテントを豪快に丸めて放りこんで帰ってくる椎名さんというのはカッコいいなあ、とか思ってしまうんですが。
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