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2003年07月22日(火) ■ |
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「正しいすべり台の使い方」を教えられても… |
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共同通信の記事より。
【箱ブランコや雲梯(うんてい)など公園の遊具による事故が相次いだのを受けて、メーカーなどの業界団体「日本公園施設業協会」は21日までに、遊具の対象年齢や遊ぶときの注意点が一目で分かる子供向けの表示シールを作成した。 遊具の支柱などに張り付け、子供に注意を促して事故を減らす狙い。加盟メーカーや公園を管理する全国の自治体に協力を求める。 シールは直径24センチの円形に対象年齢を大きく示したもののほか、すべり台では「したからのぼらない」「たったまますべらない」など、遊具ごとに注意を書いたものを作成。出入り口付近に掲示する大型版では、事故が起きたときの連絡先や最寄りの公衆電話までの地図も表示する。】
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そういえば、昨年の9月に、雲梯(うんてい)での子供の死亡事故(小学生の首が引っかかって亡くなられた事故)がけっこう話題になっていましたよね。 「それは、管理側の責任ではないか?雲梯は、危険な遊具ではないのか?」という世論に対して、「とくダネ!」で小倉さんが「それは違うだろう」と反論したのが、けっこう話題になりました。 また、箱型のブランコでも、事故が多いのだとか。
今回のこの表示シールは、そういったさまざまな事故を受けての発想だと思います。 緊急時の連絡先や遊び方、対象年齢なんてのが書いてあるそうなので、これはこれで意味はあるのでしょう。緊急時の連絡先とかは、確かに必要でしょうし、危ない、というのをアピールする効果は少しはあるはずです。
でも、自分が子供のころのことを思い出してみると、さて、この表示を子供たちは守るのかなあ、とは感じてしまいます。 子供というのは、自分の力を過信してしまう生き物ですし、背伸びしたがるもの。 仮に自分が6歳だったとして、その遊具が7歳以上対応だった場合、「それじゃやめよう」と思うか、それとも「そのくらいできるよ」と思うか、どちらか考えてみるとねえ… 賭けてもいいくらいですが、全国の男の子だった経験がある人で、「すべり台を下から上にのぼったことがない」とか、「立ったまま滑ったことがない」なんて人は皆無なのではないでしょうか? いや、だからといって、危ないのは確かだから、それを公然と推奨するというわけにはいかないでしょうけど。 すべり台なんて、静々と上にのぼってすべって、の繰り返しでは、子供でも(いや、子供だからなおさら、かな)面白くないと思うのです。 ブランコだって、座っておとなしくブラブラしていて楽しいのは、付き合いはじめのカップルくらいのものなんじゃないかなあ。 みんな、立ちこぎとか靴飛ばしとか、やってたよね。 ブランコを漕ぎすぎて、一回転したヤツの伝説とか、なかったですか?
子供にとって、公園などでの「新しい遊びの発見」っていうのは、けっこう創造性の開発に役立つような気がするのです。例えば、砂場でつくる砂山に「見本」とかあったら、不粋というものだと思うのですが。 たぶん、このシールがあっても、子供たちは遊具を使った新しい遊びを開発し続けるでしょう。
しかし、「言われた通りの遊び方しかできない子供」を大量に作り出すリスクと事故のリスク、どちらを優先するか、というのは、非情に難しい問題ですね。 水難事故が起こる可能性があっても、海で泳ぐな、と言われないのは、リスク以上に得るものがある、という判断なのでしょうし。 自分の子供は絶対に犠牲にならない、というのなら、「こんな子供を枠にはめるような発想はよくない」と断言できるのだろうけど。
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