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2003年07月18日(金)
もしあのとき、僕がピアスの穴を開けていたならば…


毎日新聞の記事より。

【ピアスをした2人に1人が、治療が必要な感染症を起こしていると、EUの執行機関である欧州委員会は17日、若者の間で流行しているボディーピアスや入れ墨の危険性についての調査結果を発表した。同調査結果によると、02年末以降、EU諸国でピアスが原因で2人が死亡。今後、EUは新たな安全基準を作る予定。】

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 よく、「男性は女性よりも痛みに弱い」なんてことを言いますが。
 あれは、僕がまだ大学生の頃でした、当時、仲が良かった後輩の女の子と夏休みに会ったら、彼女は、ちょっと嬉しそうに、耳につけたピアスを見せてくれました。
 「先輩、見てください。開けたんですよ、ピアス」
 へえ、なんて思いながら真新しいピアスが輝く彼女の耳たぶを見て、僕は問い返したのです。
 「ふうん、いつのまに開けたの?」って。
 「昨日の夜、友達に開けてもらったんです。あんまり痛くなかったですよ。消毒して、ちょっとチクッとするだけ」
という答えに、心底びっくりしました。自分の耳に、麻酔もかけずに針を刺して穴を開けるなんて、信じられない!
 当時(今から10年近く前)は、簡易ピアス開け器、みたいなものがあって、女の子たちは、けっこう自力もしくは友達同士で、耳に穴を開けあっていたらしいのです。
 
 残念なことに、その女の子のピアスの穴は、すぐ塞がってしまいました。
 そのとき僕に、彼女はこんなことを言ったのです。
 「先輩、私のピアスの穴、開けてくださいよ」
 もちろん、僕はそんなこと怖くてできずに、医者に行くように勧めましたが(当時は、僕はまだ医学生でしたし)。
 今から考えると、あのとき彼女の耳に思い切って僕がピアスの穴を開けていたら、人生の何かが変わっていたのかも。
 もちろん、開けた穴の傷が化膿して恨まれただけ、だったかもしれないけれど。