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2003年07月07日(月) ■ |
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ゴルフを楽しめる人と楽しめない人。 |
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『大変結構、結構大変』(原田宗典著・集英社文庫)より。
(著者のゴルフ初体験の感想)
【いやあ、しかしゴルフは楽しい。 もちろんスコアの方は散々で、あっちへ叩いては走り、こっちへ叩いては走っていたのだが、そうやって何ホールか回る内に、ふと自分が大きな少年になっている瞬間を何度も味わった。その“少年に還る瞬間”が、何とも言えず楽しいのだ。ティーショットを思いっ切り空振りして「ガチョ〜ン」とふざけるのも楽しいし、まぐれで一度でも会心の当たりが出れば、なおのこと楽しい。これでパーなんか出した日には、「パーだパーだ俺はパーだ!」と叫びながらグリーン上でコサックダンスを踊りまくるかもしれぬ。】
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ペーパー・ドライバーならぬ、ペーパー・ゴルファー(あるいは、コンピューター・ゴルファー、かな)である僕は、この原田さんの文章を読んで、「久々にゴルフやろうかなあ」と思ったのです。 実際、けっこう立派なクラブを持ってはいるんですよ。 このクラブ、前に勤めていた病院の院長がゴルフ好きで、「休日のゴルフ大会に出られない医者は、当直をさせられる」という噂を聞いて僕もクラブを買ってはじめてみたのです。 これでも「みんなのGOLF」とかは、結構上手なつもりだったので、理論は完璧だったのですが、実際にやってみると難しい。しかも、周りのオッサンとかがあまりに上手いので、なんだかもう嫌になってしまいました。 言われたとおりにやっているつもりでも、ボールはいつも明後日の方角。 いや、それでも当たればいいほう、という状況で。
それでも、一度だけコースに出たことがあるんです。 冬のけっこう寒い日だったのですが、練習場とは違って、コースは広々としていて気持ちがいいし、確かに、打つたびに「ごめんなさ〜い」とか言いながら自分が打ったボールを追いかけるのは、けっこう楽しい気がしました。 確かに、子供に還ったような気持ちになってたなあ、と今この文章を読んで、思い返しています。 少なくとも、練習場で黙々とボールを打っているよりは、カップを目指して打つ、というのははるかに面白いのです。
でも、18ホール回るとさすがにきつかった(翌日は凄い筋肉痛)。
しかし、それ以降、どんどんコースに出るようになったかというと、そうでもなくて。 僕がもともとインドア好きであるのはもちろんなのですが、実は、ゴルフってけっこう面倒なところがあるんですよね。 それは、打っていると周りが気になるんです。 迷惑をかけられるんじゃなくて、自分があまりにヘタだから、周りに迷惑をかけているんじゃないか、という申し訳ない気持ちが先に立ってしまって。 やっぱり、上手い人の中に「打つたびにゴメンナサイ」の僕が入ると、みんなのリズムも乱れそうな気がするし、キャディさんにも気を遣わせて悪いし。 「ゴルフは1人でもできるスポーツ」なんでしょうけれど、少なくとも超初心者が1人でコースを回ったりはできないですから。 競技そのものより、そういう気配りが面倒くさいんですよね。
原田さんは、幸福なゴルフ初体験をされたわけですが、正直、普通の人が取材でもなくはじめてコースに行って、空振りしまくったりしていたら、周りの人やキャディさんは「後がつかえてるから、早くしろよ」なんて苛立ってくるでしょう。それって、けっこうストレスなんですよね。
たぶんそこで、ゴルフの楽しさが勝つか、気配りの面倒くささが勝つかによって、その人のゴルフへの向き、不向きが変わってくるんだろうなあ。 でも、僕もまた、ゴルフやってみたくなりました。 自分ひとりで周りの目を気にせずにのんびり回れるようなコースがあれば、きっとすごく楽しいんだろうけどね、ゴルフって。
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